ミュージシャンや作家、映画監督などマルチに活躍する辻仁成さんの監督最新作「その後のふたり」がフランスで日本映画を紹介するパリ・キノタヨ映画祭で、観客の投票によって選ばれる最優秀映像賞を受賞したことが9日、東京都内の劇場であった同作の初日舞台あいさつで報告された。舞台あいさつに登場した辻さんは「好きなものを作って、好きな人に届けるために企画した」と話しながら受賞を喜んだ。
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キノタヨ映画祭は、フランスに日本文化を紹介しようと毎年、パリ日本文化館で日本映画界を代表する作品の上映を行っている。7回目の今回は1月8~26日に開かれ、15本を上映。観客投票により最優秀作品がこのほど決まった。
「その後のふたり」は、15年にわたり公私ともにドキュメンタリー製作をつづけてきたカップルの純哉(辻さん)と七海(坂井真紀さん)が主人公。2人は意見の食い違いから別れることになり、七海は東京に残り、純哉はパリに渡るが、2人は自分たちを題材に「別れたカップルのその後を追いかける」というドキュメンタリーを製作する……というストーリー。放送作家の倉本美津留さんや現代アート集団「Chim↑Pom」のエリイさん、舞踏家の伊藤キムさんらが出演する。
舞台あいさつには、坂井さんと倉本さんも登場。同作は低予算で作られたといい、辻さんは「賛同してくれた人が出演している。プロは坂井さんだけ。僕が出たのは恥ずかしい」と説明。「ACACIA−アカシア−」「目下の恋人」に続き、辻さんの作品に出演するのは3作目となる坂井さんは「辻さんはいつも情熱的で、少年のような目で『こういうものを作りたい』といわれると『ぜひ参加したい』となるんです」とその魅力を語っていた。(毎日新聞デジタル)
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