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11月3日(日)放送分
WOWOWは、毎週金曜午後10時に「ノンフィクションW」枠を設け、オリジナルのドキュメンタリー番組を放送中だ。この枠では、見る人を新しい世界へと誘うフルハイビジョンの“ノンフィクションエンターテインメント”番組をWOWOWプライムで毎週、テーマを変えて放送している。3月1日に放送される「物言うパンクス!横山健~311、ハイスタ、その先に~」を担当したWOWOWの制作部の内野敦史プロデューサーに番組の魅力を聞いた。
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−−番組の概要と魅力とは?
11年3月の大震災をきっかけに再始動した伝説のパンクバンド「ハイスタンダード」のギタリスト、横山健氏に密着したドキュメンタリーです。番組最大の魅力は音楽を通してだけでなく、“今こそ日本に勇気を!”と、世の中に臆することなく自らの考えをストレートに発言し続ける彼の真摯(しんし)な姿勢、まっすぐなまなざしを、カメラが真正面からとらえているところです。そこにいつもある満面の笑みが、従来のファンだけでなく被災地の人々を確実に元気づけているさまが丹念に描かれています。
−−今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?
今回コンビを組んだ村川僚ディレクターは、私がその昔、とある報道番組でディレクターをしていたころの同僚で、こそこそパンク談議していた仲なのです。私がWOWOWでノンフィクションWにかかわるようになってから実は彼と“パンク作品第1弾”として日本のパンク黎明(れいめい)期における最重要バンド「ラフィンノーズ」のドキュメンタリーを10年に制作しました。その時期には既に彼との間で「WOWOWでパンク3部作を作ろう!」と目標を立てていて、その当時から既にハイスタンダードの横山健氏は視野に入れていたのです。90年以降の日本の音楽史においてもハイスタンダードは大変重要なポジションに位置していますし、横山氏は特に震災以降、発言力を格段に増しているという経緯もあって、村川ディレクターからアプローチを続けたところ、ある日、横山氏からOKの連絡をいただいたのです。
−−制作中、一番に心がけたことは?
既に事実として報じられているように、ハイスタンダードは2000年代に入り音楽活動を長きにわたり休止していた経緯があります。大震災をきっかけに再始動したとはいえ、バンドを取り巻く環境がガラリと変わったわけではありませんので、横山氏についてどんな距離感で取材を始め、彼から何を引き出すことができるかを慎重にペン取材を重ね、ストーリーラインを常に軌道修正できるようフレキシブルに構え、制作を進行しました。
−−番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?
こちらの横山氏に対する思いや、描きたいイメージをきちんとお伝えすることで横山氏から信頼を得ることができたのか、彼はカメラの前で全く臆することなく、その瞬間その瞬間、頭の中にある考えをまっすぐに言葉にしてくれたことが大変うれしかったです。彼の懐の深さに感動し、そしてなぜツイッターのフォロワー数が20万に迫る勢いなのかが、1年近く密着させていただいたことで完全に理解できました。
半分余談ですが横山氏はWOWOWで放送している「ランジェリー・フットボール」の大ファンだそうです。これ、ちょっとしたスクープかもしれませんね(笑い)。
−−番組の見どころを教えてください。
スタジアムを埋めるパワーを持つ一人の男が大震災後から被災地に足しげく通い、パンクロックを通して年齢性別を超えて人々に勇気を与える活動そのものが見どころでしょう。ハイスタの活動を超えて、ソロにおいてはむしろ音楽の枠を超えたところで声高に発言し続けるアティテュード(姿勢)を前に、この作品を見る方は“自分には何ができるか”を問われることにもなるかもしれません。それほど彼の行動力のベクトルは強いのです。
−−視聴者へ一言お願いします。
あえてひねったいい方をしますと、“パンクロックのドキュメンタリー”だと思って見ないでいただきたいと思います。人が何かを誰かに伝えたいと思ったときに起こしたその行動が、結果的にパンクというフィルターを通した、というだけの話なのかもしれません。こんないい方をすると横山氏に怒られてしまうかもしれませんが。本編中のインタビューで彼は実際“表現方法の枠にとらわれたくない”というニュアンスの発言をしています。実は一番“単なるパンク”に見られたくないのは横山氏その人なのですよね。だからこそ私も、“単なる”パンクのドキュメンタリーだと思われたくない、それをお伝えしておきたかったのです。
WOWOW 制作部 プロデューサー 内野敦史
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2024年11月05日 13:00時点
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