12年に公開した米国では好成績を収め、第85回米アカデミー賞で長編アニメーション賞にノミネートされていた「パラノーマン ブライス・ホローの謎」が、3月29日に公開された。人形を少しずつ動かしては撮影するということを根気よく繰り返して作り上げたストップモーションアニメで、死者や幽霊、魔女といったちょっぴり不気味なキャラクターが登場する一風変わったストーリーが展開する。
ウナギノボリ
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ブライス・ホローという町で暮らす11歳のノーマンには特殊な能力があった。それは、死者と話せるということ。ある日、ノーマンのところに親戚のおじさんがやって来ていう、「魔女の魂が悪霊を呼び起こし、町を滅ぼす」と。そして「それを阻止できるのは、ノーマンしかいない」と。ノーマンは困惑しながらも悪霊退治に乗り出すが……という展開。
無気味ながらもそこが逆にチャームポイントというキャラクターたちが続々登場。「コララインとボタンの魔女」(09年)や「ティム・バートンのコープスブライド」(05年)を手掛けたライカ・エンターテインメントのスタッフが製作した。動きのなめらかさは「コララインとボタンの魔女」から格段に進歩している。群衆シーンやチェイスシーンにも挑戦し、「フレンチ・コネクション」や「ブリット」を手本にしたというチェイスシーンのハラハラ感はなかなかのもの。ほかにも、ノーマンの瞳の大きさが左右で違うなど、顔の造形の細かな作りこみにも感嘆した。エンドロールの最後には、ノーマンの制作工程をわずかながらも早回しで見ることができ、この手の作品がお好きな方はこちらも見逃さないでほしい。3月29日からTOHOシネマズみゆき座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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