SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第1話 再出発!集う麦わらの一味!
11月3日(日)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに100万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第118回は浜田広介の「泣いた赤おに」だ。
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皆さんこんにちは、乙葉しおりです。そろそろ全国的に梅雨のシーズンが到来しますね。水不足にならないよう適度に降ってほしい雨ですけど、ずっと降り続けるとどうしても湿度が高くなってしまうので、本にとっては天敵と言っていい季節。大事な本がふにゃふにゃになってしまわないよう、天気の良い今のうちに陰干しをしてみてはいかがですか?
さて、今回のお誕生日のご紹介です。
まず5月20日は、エクトール・アンリ・マロさん(1830年生まれ・フランス)
1878年発表の長編「家なき子」はアニメ作品として日本で広まったほか、1893年に発表された姉妹作「家なき娘」も、アニメ「ペリーヌ物語」のタイトルで知られています。
続いて5月24日は、真保裕一さん(1961年生まれ)
雪で視界を覆いつくされたダムを占拠したテロリストを相手に単身戦いを挑む「ホワイトアウト」は、織田裕二さん主演で映画にもなりましたよね。
最後に5月25日からはお二人をご紹介。
まずは、エドワード・ブルワー・リットンさん(1803年生まれ・イギリス)
以前ご紹介した「ポンペイ最後の日」のほか、戯曲「リシュリュー」では、かの名言「ペンは剣よりも強し」を生み出した一方、「ポール・クリフォード」では英国文学史に残る迷言と言われる「それは暗い嵐の夜だった」を生んだことでも有名です。
そして2人目は、浜田広介さん(1893年生まれ)
「りゅうの目のなみだ」「よぶこどり」「むくどりの夢」など1000作品にも及ぶ童話を発表し、「日本のアンデルセン」と呼ばれている方です。後ほど代表作「泣いた赤おに」をご紹介しますので、ぜひご覧になってくださいね(*^^*)
ではここで朗読倶楽部のお話、前回に続いて「朗読大会」出場の記録の続きです。
最初の大会で改めて未熟さを実感した私たち朗読倶楽部は、夏休みの「通学合宿」でそれぞれの苦手分野を克服すべく特訓を行います。短いながら有意義な時間を過ごしたのもつかの間、夏休み後半には二つめの大会出場が迫っていたのでした。
この大会は「地区大会」と「全国大会」に分かれるスケールの大きなものでしたが、前回が散々な結果だったことを考えると到底全国大会に勝ちあがれるとは思えず、あまり気負わずに参加することができたのです。
ですが、そんな私たちの態度が不真面目に見えてしまったのでしょうか、他校の出場者さんから「あなたたちはどうしてこの大会に参加しているの?」と問いかけられたのでした。
確かに部の実績作りという動機は少々不純だったかもしれませんが、今は朗読が大好きになっている私たち。まだまだ拙い倶楽部かもしれないけれど、読み手も聞き手も双方が笑顔になれたら、こんなに素敵なことはない……私は今の気持ちを「彼女」に伝えました。
これが私と同じ高校2年生・小口のどかさんとの出会いだったのですが、実はこの時点ではお互いの名前を知らないままだったのです……と、いうところで、今回はここまで。
次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)
■しおりの本の小道 浜田広介「泣いた赤おに」
こんにちは、今回ご紹介する一冊は、浜田広介さんの児童文学「泣いた赤おに」です。
今からちょうど80年前の1933年に「おにのそうだん」として発表され、以降、「鬼の涙」に、「泣いた赤おに」と、2度改題されました。学校教科書に掲載されているほか、2011年にはこのお話をもとにした映画「friends もののけ島のナキ」も公開され、現在に読み継がれる作者代表作のひとつです。
「鬼の目にも涙」とは言いますが、物語における鬼といえば悪役の定番だった時代に誕生したこのお話、果たしてその内容は……?
ある山の崖に建つ一軒家には、心の優しい赤おにが住んでいました。日ごろから人間と仲良くしたいと思っていた赤おには、戸口の前に「どなたでもおいでください」という内容の、来客を歓迎する札を立てます。
翌日、家の前を2人の木こりが通りかかりました。2人は立札を読んだものの、自分たちをだまして食べてしまうかもしれないと、なかなか家に入ってこようとしません。待ちきれなくなった赤おにが窓から顔を出すと、2人は一目散に逃げてしまいました。
赤おには悔しいやら悲しいやら、しまいには怒って立て札をばらばらにしてしまいます。ちょうどその時、別の山に住む青おにが赤おにを訪ねてきました。青おには友人の嘆き悲しむ様子を見て、ある提案をするのですが……。
作者の浜田広介さんは、和歌山県の高野山に収蔵されている「八大童子立像」に感銘を受け、このような鬼を書いてみたいと思ったそうです。また、作中での赤おには人間に対して、「お茶とお菓子」でもてなそうとしますが、作者自身、お茶とお菓子が大好物だったのだとか。いずれも赤おにのモデルになっているのかもしれませんね。
このお話はタイトルが暗示する通り、ちょっと悲しい物語でもあるのですが、赤おにと青おにと人間、それぞれの関係についてさまざまな解釈ができる作品になっていると思います。
皆さんは赤おにと青おにの心情を、どう読み取りますか……?
※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。
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