マンガ質問状:「神さまの言うとおり」 ラストへの道筋すでに決定 来年すごいことが……

「神さまの言うとおり弐」(講談社)
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「神さまの言うとおり弐」(講談社)

 話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、金城宗幸さん原作、藤村緋二さん作画の「神さまの言うとおり弐」です。講談社「週刊少年マガジン」編集部の鈴木綾一さんに作品の魅力を聞きました。

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 −−この作品の魅力は?

 退屈な日常を送っていた高校生がある日、「だるまさんがころんだ」や「かごめかごめ」など、失敗すると死が待っているゲームに強制参加させられる話です。

 そうです。「またか……」っていうジャンルです。

 それでもこのマンガがありがたいことに人気で売れているのは、ひとつは、「神さまの言うとおり」(全5巻で完結)がその日学校へ出席した者の物語、いま連載中の「神さまの言うとおり弐」がその日学校を欠席した者の物語であり、その二つが密接にリンクしていくという点、もうひとつは、「ページをめくると待っているのは恐怖や衝撃の連続!!!」だけでなく、ときには爆笑したり、感動したり、と、「ページをめくるとどんな感情が待っているかわからない、油断できない」という点にあると思います。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 ある日僕がコピー機で、先輩がコピーしたまま取り忘れたネームを見つけました。絵柄的に、金城先生のものらしく、なんかいきなりダルマがいっぱい人を殺していました。「なんだこのマンガ……」気が付くとコピー機の前で立ったままネームに没頭していました。「おもしろすぎる!!」そう思うと同時に、当時担当していた18歳の高校生・藤村先生の絵が、この話にはマッチすると確信しました。そこで金城先生の担当である先輩に、「このマンガ、藤村君でやらせてください!!!」と頼み込み、現在のコンビになりました。

 −−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だった……、もしくはクスッとしたナイショのエピソードを教えてください。

 もともと「神さまの言うとおり」は「別冊少年マガジン」で連載していて、「進撃の巨人」に次ぐ人気を順調に維持しており(1回くらいは勝ちたかったですが……)、「うんどうかい」編(5巻)以降も続いていく予定でした。そんなある日、当時の編集長から「週刊に、来る?」という誘いが。原作の金城先生、作画の藤村先生に持ちかけたところ、二人とも即座に「やります」と。

そこからはいつもの打ち合わせとは別に、「週刊移籍に向けどうする会議」を定期的に開きました。両先生ともダウンタウンが大好きなので、あのテレビで見る「打ち合わせ」っぽく、会議室をとり、ホワイトボードをバックにお菓子と軽食と飲み物を取りながら……というアレです。担当を含め、形から入ってテンションをあげるタイプです。

そこで決まったことは、まず「週刊に移籍してから読んだ人でも楽しめるようにしよう」とのコンセプトのもと、「欠席者視点から始めて、ゆくゆくは二つの物語がつながる話にする」ということです。そこから主人公像や元々構想していた世界観を組み替えつつ、現在週マガで連載している「神さまの言うとおり弐」が生まれました。

 −−今後の展開は?

 全5巻で完結した「神さまの言うとおり」に登場したキャラクターたちと、新たな競技で合流するはずです。本当の首謀者は……、ゴホ……。とにかく、ラストまでの道筋も決まっています。

 −−読者へ一言お願いします。

 中高生の皆さん、中高生の若い感性をもった皆さん、中高生の皆さんと仲良くなりたい皆さん、ぜひ一度ご賞味ください。たぶん来年ごろにすごいことが待っているはずです。具体的には……。あ、誰か来たようなので失礼します。

 講談社 週刊少年マガジン編集部 鈴木綾一

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