もうすっかりジャパニーズホラーのキャラクターとして定着した感のある「貞子」。昨年の「貞子3D」に続き、新作「貞子3D2」(英勉監督)が30日に公開される。今作はスマートフォン連動した“スマ4D”とうたう体験型映画で、専用アプリをダウンロードしてスマホの画面を見ながら映画を観賞するという新しい試みをしている。
ウナギノボリ
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呪いの動画事件から5年が過ぎた。鮎川茜(石原さとみさん)と安藤孝則(瀬戸康史さん)の間には一人娘の凪(平澤宏々路さん)が生まれていた。孝則の妹・楓子(瀧本美織さん)は凪を預かって育てていたが、なかなかなつかない。そんな中、再び謎の動画を見た者が自殺する事件が起きた。謎の自殺は、楓子の周囲でも起き始め、やがて楓子は凪を疑い始める。ある日、楓子は孝則の部屋で封印されたパソコンと大量の手紙を見つけて……という展開。
「貞子3D」に続き英監督がメガホンをとり、アプリ演出も製作チームとともに作り上げたという。映画とスマホの融合といった新しい試みに成功している。田口浩正さんが、上映前に機能を丁寧に説明してくれる“前説映像”も面白い。だが、学校という身近な場所が舞台だった前作に比べ、設定上の恐怖演出がやや弱く感じられた。楓子と凪の暮らしぶりをもう少し見せた方がリアリティーが増してよかったかもしれない。恐怖は日常の中にあるのだから……。演技的には凪役の宏々路ちゃんが大健闘。呪われた子どもの悲しさを表情豊かに演じた。たとえ怖い絵を描いていても、守ってあげたくなるようないじらしさで後半の展開につなげている。攻撃的なリズムが印象的な東方神起が歌う主題歌「SCREAM」が、赤と青のスタイリッシュな色彩でつづる映像世界にピッタリとマッチしている。30日から角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。
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