公開中の映画「風立ちぬ」をもって長編映画の製作から引退することを明らかにしたスタジオジブリの宮崎駿監督の引退会見が6日、東京都内で行われた。会見には国内のメディアに加え13の国と地域の海外メディアも詰めかけ、宮崎監督が「イタリアが好き」と答えれば、フランスのメディアが「じゃあフランスは?」と質問をぶつけるなど“巨匠”を巡って火花を散らせた。
ウナギノボリ
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イタリアのメディアは「紅の豚」などイタリアが宮崎作品に登場することから「イタリアが好きなのか?」と質問。宮崎監督は「イタリアは好きです。まとまってないところも含めて好きです。友人も多いし、食べ物はおいしいし女性はきれいだし、ちょっと(治安が)おっかないところもあるけれど」と答え場を和ませた。それに対し、フランスのメディアは「イタリアは好きということだったが、フランスは?」とまさかの“参戦”。宮崎監督は「正直に言います。イタリア料理の方が口に合います。クリスマスにフランスに行ったときに、どこのレストランに行ってもフォアグラがでてきて、あれはつらかった」と苦笑しつつ、「ルーブル美術館はよかったですよ!(フランスにも)いいところはいっぱいあります」とフォローし、笑いを誘っていた。
宮崎監督は「フランスはポール・グリモーのアニメ映画『王と鳥』が1950年代に公開され、甚大な影響を与えた。特に僕よりも先輩の高畑勲監督の世代には圧倒的な影響を与えたんです。それは少しも忘れていません。今見ても、その志とか世界の作り方とかは本当に感動します」と称賛しつつ、「いくつかの作品がきっかけになって、自分はアニメーターをやっていこうと決めたわけですから、そのときにフランスで作られた映画の方がはるかに大きな影響を与えています」と自らの原点に思いをはせた。
会見には中国、香港、台湾、韓国、スペイン、フランス、ドイツ、イタリア、英国、スウェーデン、シンガポール、ロシア、米国と13の国と地域からの海外メディアが駆けつけた。(毎日新聞デジタル)
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