徳川家康は影武者だったという大胆な設定でマンガ化もされ人気を博した隆慶一郎さんの時代小説「影武者徳川家康」がテレビ東京の14年の新春ワイド時代劇でドラマ化されることが12日、明らかになった。本物の家康に成り代わり、やがて時代を動かし、太平の世を作り出す主人公の影武者・世良田二郎三郎役には、俳優の西田敏行さんを起用。06年放送の「天下騒乱~徳川三代の陰謀」以来、8年ぶりに新春時代劇の主演を務める西田さんは「このドラマは娯楽時代劇。歴史を史実として学んでくださいというものではなく、お屠蘇(とそ)気分で楽しんでいただければと思います」とメッセージを送っている。
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同局の新春ワイド時代劇は、1979年に始まり今作で36作目。「影武者 徳川家康(仮)」は、関ケ原の戦いで、合戦中に暗殺された家康に代わり、徳川軍を勝利に導いた影武者・二郎三郎の波瀾(はらん)万丈の人間ドラマを描く。ドラマの脚本は、02年放送の「壬生義士伝~新選組でいちばん強かった男~」などを手がけた田村惠さんが担当。また、NHK大河ドラマ「武田信玄」などで演出を担当した重光亨彦さんが、昨年放送の「白虎隊~敗れざる者たち」に続いて監督を務める。
キャストは、家康の側室で二郎三郎を叱咤(しった)激励しつつ献身的に支えるお梶の方を、新春時代劇初出演となる女優の観月ありささん、石田三成方の軍師で徳川秀忠の非情な謀略から豊臣家を守るため二郎三郎と協力する島左近を、新春時代劇6回目の出演となる俳優の高橋英樹さんが演じる。
観月さんは「時代劇の経験が浅いですし、西田敏行さんとは約20年ぶりに共演させていただきますので少し緊張しています。西田さんの胸を借りるつもりで頑張りたいと思います」とコメント。また高橋さんは自身が演じる左近を「関ケ原では本物の徳川家康の暗殺を命令しながら、後に影武者・家康の影の軍師的な役割を果たす、皮肉な面白い設定の人物」と評し、「豊臣秀頼を守るため、二郎三郎と志を共にしていく過程にぜひご注目いただければと思います」とも話している。
山鹿達也プロデューサーは、隆さんの原作を「大胆で奇抜な発想と、膨大な資料を読みこんだ上の説得力と息もつかせぬ物語の展開で、抜群に面白い」と前置きした上で、「影武者が本物の家康に代わったのが、還暦60歳。普通ならば引退して悠々自適な生活を送る年寄りの男が、若者にも負けないエネルギーを爆発させ、戦い、生き抜く姿は、爽快であり、痛快でもあります。西田さんが演じる二郎三郎の生き様は、必ずや、多くの視聴者の心を揺さぶるものと確信しています」とドラマへの自信を見せている。
「影武者 徳川家康(仮)」は、14年1月2日に放送される。(毎日新聞デジタル)
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