2014年に実写化される「機動警察パトレイバー」シリーズのオリジナル新作プロジェクト「THE NEXT GENERATION−PATLABOR−」製作発表記者会見が25日、千葉県内の倉庫で行われ、全長8メートルの実物大パトレイバーや二課棟セットがお披露目され、主要キャストやプロジェクトの概要が発表された。実写化は、約48分のシリーズ全12話と長編作品1本を組み合わせたプロジェクトとなり、まずシリーズを劇場上映用に全7章に構成し、2014年4月から全国で順次イベント上映、15年には長編作品を全国でロードショーする予定。
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新作の舞台となるのは、2013年の東京で、登場人物は、「三代目」という設定。長期的不況で手間とお金のかかる「レイバー」がお払い箱となっており、特車二課の第1小隊は解散、第2小隊はレイバー運用経験の継続としてかろうじて存在している状態だが、「98式イングラム」だけは栄光の初代、無個性の二代目、無能の三代目に引き継がれていった…という展開。
主人公で1号班操縦担当の泉野明役は真野恵里菜さん、1号班指揮担当の塩原祐馬役は福士誠治さん、2号班指揮担当でロシアから赴任したカーシャ役は太田莉菜さん、第二小隊隊長の後藤田継次役は筧利夫さん、特車二課整備班長に昇進したシバシゲオ役は、アニメで声優も務めていた千葉繁さんが演じる。
全12シリーズと長編作品の総監督、脚本を務める押井守監督は、今になっての実写化について「20年前から実写化の構想があったといい、「パト2が終わったあたりから、次やるなら実写だよねと言っていて、実際に実写化の話もあったが、もろもろの事情、お金の関係でダメだった」といい、今回の実写化については「(パトレイバーを)実写で作ってみたかったんだ」とつぶやき、「実写化のお話が僕が考えている通りだったので、やるしかない」と意気込んだ。
過去の作品を実写化しなかったことについては「監督は作る理由じゃなくて、どういうものを作るのかを考える。リメークはたくさんあるが、そもそもコピーは不可能ですから。実写としては違う物を作った方が面白いし、成功の可能性が高い」と語り、「先代はアニメで十分活躍したから、新しいものとして作ってみたかった。この機会を逃したら一生できない。今の時代を物語としてどうやっていくか。三代目の設定は、実写化には絶対必要な設定だった」と強調した。
ストーリーは、初めのシリーズで「楽しく、基本的にはばか話」の日常を描き、劇場版は「重量が必要なので、重たいテーマにならざるを得ない」と明かした。「僕が監督をするとハードになるんじゃないかと思われていますが、もともと僕はドタバタの人間。実写に関してはシリーズをやってみたいと思っていました」と語り、「僕の手応えとしてはイケてる、ここまでやってる、やっちゃったという感じになっている」と自信をにじませていた。
「機動警察パトレイバー」は、歩行式の作業機械「レイバー」が実用化された近未来を舞台に、レイバー犯罪に立ち向かう警視庁の特科車両2課中隊(特車2課)の活躍や泉野明ら隊員の日常を描いたSF作品。1988~94年にマンガ誌「週刊少年サンデー」(小学館)でゆうきまさみさんのマンガが連載され、89~90年にはテレビアニメも放送された。(毎日新聞デジタル)
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