注目映画紹介:「謝罪の王様」 クドカン脚本・阿部サダヲ主演・水田伸生監督で贈る謝罪コメディー

「謝罪の王様」の一場面 (C)2013「謝罪の王様」製作委員会
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「謝罪の王様」の一場面 (C)2013「謝罪の王様」製作委員会

 「舞妓Haaaan!!!」(2007年)、「なくもんか」(09年)の宮藤官九郎さん脚本、阿部サダヲさん主演、水田伸生監督のトリオで贈る映画第3弾「謝罪の王様」が28日、公開された。大小さまざまなトラブルを、架空の職業「謝罪師」にふんした阿部さんが解決すべく奮闘する。果たして、外国との国際問題に発展したトラブルを収めることができるのか!? 

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 倉持典子(井上真央さん)は車の追突事故を起こしたが、相手が運悪くやくざだった。帰国子女の典子は、海外では謝ってはいけないと教育されて育ったため、謝ることができない。そんな典子を助けたのが、東京謝罪センター所長の黒島譲(阿部さん)。これをきっかけに、典子をアシスタントに迎えて次々に“謝罪”案件に挑む。マンタン王国の皇太子を怒らせた件では、貿易停止という国際問題にまで発展し、謝れば謝るほど、怒らせてしまう始末。打開策のないまま、黒島は窮地に立たされてしまう……という展開。

 冒頭から“ケースその1”が超ハイテンションに描かれ、宮藤さん×阿部さん×水田監督の個性が炸裂(さくれつ)している。そのテンションを維持したまま物語は進んでいくが、「マンタン王国」のくだりが長く、「ロケは大変だっただろうに」と想像しながらも、やや中だるみする。やがて、黒島がなぜ「謝罪師」を生業としたのかが語られ、このシーンではEXILEのMATSUこと松本利夫さんがいかにもラーメン屋さんらしい風情を醸し出し、とてもいい味を出している。映画で語られるように、日本の謝罪スタイルは独特かもしれない。謝ることは難しい。誠意を込めてというが、謝り方次第で相手をかえって怒らせる結果になりかねない。ぶっ飛んだコメディーというだけでなく、社会風刺も利いていて、謝ることの奥深さを見せてくれる作品だ。28日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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