注目映画紹介:「レッド・ドーン」 84年の「若き勇者たち」をリメーク 敵はソ連から北朝鮮に

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 1984年に公開されたジョン・ミリアス監督の「若き勇者たち」をリメークした「レッド・ドーン」(ダン・ブラッドリー監督)が5日から全国で公開された。主人公は「マイティ・ソー」(2011年)や「アベンジャーズ」(12年)で知られるクリス・ヘムズワースさんが演じているほか、「ハンガー・ゲーム」(12年)シリーズのジョシュ・ハッチャーソンさんらが出演。「ボーン・アルティメイタム」(07年)などでスタントコーディネーターをしてきたブラッドリー監督が初メガホンをとった。

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 米国のとある町が突然、北朝鮮に占領された。敵の手をからくも逃れた若者たち数人は、戸惑いながらも銃を手に立ち上がり、愛する人を守るため、祖国を取り戻すために戦いに身を投じていく……というストーリー。

 「奴らにとってはただの領土だが、俺たちにはここが故郷だ」。このヘムズワースさん演じる海兵隊員ジェドのひと言で、震える心を鼓舞し、レジスタンスとして立ち上がる若者たち。ジェド以外は戦闘は素人。北朝鮮が攻めてきた背景などの説明はまったくなく、ただ敵がやって来て戦いが始まる。そのあたりに説明不足を感じる。また、戦闘のプロを相手に、にわか仕込みの若者たちが対等に戦うというところに一種の調子の良さも感じる。

 しかし、米ソの冷戦時代を舞台に両国の戦いを描いていたオリジナル版を、当時、どこか遠いところでのお話と思って見ていたのに対し、今回の主人公たちが相手にするのは北朝鮮。日本も含め世界は今、何が起こるか分からない不安定な状況にある中、人ごととは思えないほどの現実味がある。その一方で、今作がアクションエンターテインメントであることを考えれば、先に書いたマイナス面は許容範囲だ。娯楽作の役目は十分果たしている。ちなみに、ジェドがいきなり戦闘モードに入り、弟たちに戦い方を仕込んでいくときの武器の調達や食料の確保などの指示の出し方には、さすがプロ、リーダーとはかくあるべしと思わされた。5日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(1978年)と「恋におちて」(84年)。おばさんにはスマホはやっぱり使いづらい。ということで、いわゆるガラパゴス携帯に戻した。にもかかわらず、液晶画面の「OK」を指で押し画面が変わらないとイラついている自分がいる。ああ情けない……。

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