注目映画紹介:「デッドマン・ダウン」 孤独な男女を軸に復讐と愛を描いたサスペンスアクション

(C)2012 DMD PRODUCTIONS,LLC.ALL  RIGHTS RESERVED.
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 「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」(2009年)が大ヒットしたデンマークのニールス・アルデン・オプレブ監督が、約250本の脚本から選び出して撮った初のハリウッド映画「デッドマン・ダウン」が26日公開される。孤独な男女を軸に復讐(ふくしゅう)と愛を描いたサスペンスアクション作だ。主演は「トータル・リコール」(12年)のコリン・ファレルさん。「ミレニアム~」が出世作となったノオミ・ラパスさんが生きる希望を失った女性を繊細に演じている。

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 ビクター(ファレルさん)は裏社会の男。仲間の惨殺死体が発見されて、そこには謎のメモが残されていた。ボスのアルフォンス(テレンス・ハワードさん)は何者かの脅しに悩んで焦っていた。ビクターの向かいのマンションに住む女性ベアトリス(ラパスさん)は顔に交通事故による傷痕があり、近所の子どもに「怪物」とののしられていた。ある日、マンションの窓から目が合ったビクターとベアトリス。投函された手紙を読んだビクターは彼女の家を訪ねる。一緒に食事をして近づく2人。だが、ベアトリスにはある目的があった……という展開。

 暗がりの中、派手な撃ちあいの後、帰宅する車内の中でのビクターの横顔には孤独が横たわっている。そして、もう一人孤独な人物、ベアトリスが出てくる。彼女の横顔には傷痕がある。冒頭から運命的な予感を漂わせる2人には、共通点があった。命拾いをしたことと、復讐を計画していること。復讐には裏切りがつきものだが、ビクターにはどんな物語が待っているのだろうか。ビクターの計画の内容が少しずつ明らかになるにつれ、男女の距離が縮まっていくのを並行して見せていく。あからさまなニューヨークの風景が出てこないことがかえって心地よく、大都市の異邦人である2人を浮かび上がらせる。抑えめの色調でつづられるクールな大人の作品だ。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画生活に突入。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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