テレビ試写室:「時計屋の娘」 沢尻エリカが好演 時計だけでなく心も修理する心温まる物語

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 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は18日に放送されるスペシャルドラマ「時計屋の娘」(TBS系)だ。

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 主演は、同局で昨年4月に放送されたスペシャルドラマ「悪女について」以来1年半ぶりとなる沢尻エリカさん。今回のドラマも、前作と同じ八木康夫プロデューサーが手がけており、台本も沢尻さんをメインにすることを前提に書かれている。映画などでの過激な役どころが印象深い沢尻さんだが、主人公となる東日本大震災で母を亡くした清楚(せいそ)で優しい女性役が意外にもマッチしているのに驚かされる。

 ドラマは、沢尻さん演じる宮原リョウが、東日本大震災による津波で亡くなった母親の元恋人だった腕のいい職人・秋山守一(國村隼さん)が営む時計店を訪れ、形見のビンテージ時計の修理を秋山に依頼する、という展開。沢尻さん自身が“久しぶりのいい子キャラ”と評しているそうだが、リョウはいい子といっても、従順ではなくて、言いたいことは言う、やりたいことはやってしまうという行動的な明るい女性。秋山が本当の父親かもしれないと期待していることをストレートに伝え、戸惑わせたりする場面もある。

 突然の出会いから、初めはぎくしゃくしたリョウと秋山が、徐々に心を通わせていく過程を、過剰ではない自然体の演技で見せる。時計だけではなく、心も“修理”してくれる、心温まるストーリーだ。ドラマは18日午後9時からTBS系で放送。BS−TBSでも22日午後7時から放送。(毎日新聞デジタル)

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