女優の坂井真紀さんが19日、東京都内で行われたWOWOWの連続ドラマW「かなたの子」の完成披露試写会に、キャストの井浦新さんらとともに登場。撮影は、世界遺産に登録された富士山で、登録後初のテレビドラマ作品の撮影として行われたといい、坂井さんは「毎日登っては下りる日々で、自然が怖いと思ったことがある」と告白。最も過酷とされる御殿場ルートを舞台に、頂上までの撮影が行われ、「ものすごい風を受けたことがある」と明かした坂井さんは、「前にいる人がこのまま転がってしまったら、ドラマが中止になるんじゃないかということを想像したくらい怖い自然だった。命懸けでした……」と過酷な撮影を振り返った。
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一方で、「過酷であればあるほど楽しくなる」と話した井浦さんは、「富士山に登ることはあまり興味は持ってなかったけど、登るのがだんだん楽しくなった」とにっこり。台風の影響でスタッフと一緒に小屋に閉じ込められるなど、過酷な状況もあったというが、井浦さんは「正直すごく楽しかった! そんな経験はなかなかできないですから」と話し、観客を驚かせていた。
ドラマは、「対岸の彼女」「八日目の蝉」などで知られる直木賞作家・角田光代さんの短編小説集「かなたの子」が原作。犯した罪におびえながら時に悲しみ、時に許しを請う人々の姿を繊細に描き、第40回泉鏡花文学賞を受賞した。1泊2日の富士登山ツアーに偶然集った参加者たちは、それぞれが取り返しのつかない過去と罪の意識を抱え、救いを求めるかのように山頂を目指していた。深い霧が立ちこめ、足元もおぼつかず、意識ももうろうとする中、豆田日都子(坂井さん)は、ひとり娘なつきの“幻”を目にする……というストーリー。「まほろ駅前多田便利軒」の大森立嗣監督が手がけ、坂井さん、井浦さんのほか、永瀬正敏さん、満島ひかりさんら豪華キャストが集結した。
舞台あいさつには、大森監督も登場。作品にちなんで過去のトラウマについて聞かれた坂井さんは、「小学校のとき、プールが終わったあとに、パンツがなくなっちゃったことがあって。その後1時間くらいパンツをはかずに授業を受けたことがある。すぐに見つかったんですけど」と仰天エピソードを告白。一方、井浦さんは「坂井さんがトラウマ。芝居の熱量がすごくてハードルが高いから、坂井さんとの撮影は相当ビビリながら芝居していた」と明かし、「坂井さんとのシーンは、こいつ緊張してるんだろうなと見てもらえば」とユーモアたっぷりに語っていた。
連続ドラマW「かなたの子」は全4話。WOWOWプライムで12月1日から毎週日曜午後10時に放送。初回は無料放送。(毎日新聞デジタル)
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