注目映画紹介:「ジ、エクストリーム、スキヤキ」 井浦新と窪塚洋介が11年ぶり共演

「ジ、エクストリーム、スキヤキ」の一場面 (C)2013「ジ、エクストリーム、スキヤキ」製作委員会
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「ジ、エクストリーム、スキヤキ」の一場面 (C)2013「ジ、エクストリーム、スキヤキ」製作委員会

 劇団・五反田団主宰の前田司郎さんの長編映画初監督作で「ピンポン」(2002年)で共演した井浦新さんと窪塚洋介さんが、30代になって再び共演を果たした「ジ、エクストリーム、スキヤキ」が全国で公開中だ。大学時代を振り返る4人の男女の旅路を、日常会話を軸に展開していく。見ているうちにこの世界にすっかりハマってしまった。

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 フリーターの大川(窪塚さん)の家に、15年ぶりに大学時代の親友・洞口(井浦さん)が現れた。2人はあることをきっかけに絶縁状態にあったが、わだかまりを忘れたような洞口の態度に巻き込まれて、再び交友を始めた。2人には、人生に進路が見いだせず無為に日々を送っているという共通点があった。そんな2人が突破口として考えたのは、手作りのブーメランを飛ばしに行くことだった。洞口はみんなでスキヤキをやろうと鍋も持ち込む。大川の同棲(どうせい)相手・楓(倉科カナさん)と、洞口の元彼女の京子(市川実日子さん)も誘って、海を目指して車を走らせる。大学時代をともに過ごした仲間は、過去について語り出す……という展開。

 俳優たち相互に流れる空気感がすごくいい雰囲気だ。過去を一緒に過ごした感じがよく出ている。4人の会話を聞いていると、他人の人間関係をのぞき見ているみたいで面白い。前田監督はよくこんなにうまく微妙な空気を表現できるものだと驚いた。彼らは過去についてひどく引きずっているのに、お互いがひた隠しにしている。日常によくあるシーンに笑えて、いつのまにか仲間気分で見てしまう。疎遠になった理由が分かり、それぞれの内面が次第に見えてくるに従って、4人の登場人物がとても愛おしくなる。2011年に音楽活動を終えたムーンライダーズの岡田徹さんが音楽を担当。ムーンライダーズの曲も流れているのも雰囲気を盛り上げている。11月23日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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