「ワイルド・スピード」シリーズで知られるポール・ウォーカーさんが、11月30日、米ロサンゼルス近郊のサンタクラリタで、自動車事故のため亡くなった。享年40。
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「ワイルド・スピードMAX」(2009年)のPRのため来日した4年前、インタビューする機会に恵まれた。素顔もカーマニアで知られるウォーカーさんは当時、「今年の年末か来年始めに発表されるポルシェの新型モデルを絶対にゲットしたいんだ」「僕は(日産の)シルビアとスカイラインのR32を持っているけど、GT−Rが大好きなんだ。ブライアン(「ワイルド・スピード」でのウォーカーさんの役名)の愛車は日産車という設定だけど、実はあれは、何に乗りたいかと聞かれたから、僕が好きなのは(スカイライン)GT−Rと言ったのがきっかけなんだ」と本当に楽しそうに話していた。
シリーズ1作目が公開されたとき、米国で暴走族が騒ぎを起こす事件があった。そうした悪影響を及ぼすようなシリーズに出演することをどう思うかという、必ずしも好意的ではない質問に対しては、「僕は童心を忘れていない。ガキのころのままなんだ。若いころというのは、自分たちがハマっているものが周囲から注目されることのうれしさといったらない。それによって得られる喜びはすごくいいものだと僕自身は思っている。だから、彼らから認められたことを誇りに思っている」と真摯(しんし)に答え、その真剣な様子が印象的だった。
「バーシティ・ブルース」(1999年)で初めて彼の存在を知ったときは、甘いマスクの俳優が出てきたな、ぐらいにしか思わなかった。その後「ワイルド・スピード」(01年)で頭角を現わし、「タイムライン」(03年)や「イントゥ・ザ・ブルー」(05年)、最近の「逃走車」(13年)にいたるまで、「南極物語」や「父親たちの星条旗」(ともに06年)といったヒューマンな出演作はあるにせよ、どちらかというとアクションやサスペンス、そして端正で柔らかい風貌のせいか、根がお人好しの役が多かった。今後年齢を重ね、さまざまなジャンルの作品に出演し、役の幅を広げていくであろうと思われた矢先の訃報。残念でならない。今はただ彼の冥福を祈りたい。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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