イ・ビョンホン:出演映画「REDリターンズ」で亡き父の登場シーン明かす 続編頼まれたら「光栄」

映画
ハリウッド映画の最新出演作「REDリターンズ」について語るイ・ビョンホンさん

 ブルース・ウィリスさんをはじめ、ジョン・マルコビッチさん、ヘレン・ミレンさんら大物俳優が豪華競演を果たした映画「REDリターンズ」が、11月30日から全国で公開されている。同作は、列強の諜報機関を引退した元スパイたちの活躍を描くアクション映画で、2011年に公開された「RED/レッド」の続編に当たる。今作では、韓国を代表する俳優イ・ビョンホンさんが新たに参加するほか、キャサリン・ゼタ・ジョーンズさん、アンソニー・ホプキンスさんらが加わり、前作をしのぐアクションと手に汗握るストーリーが展開していく。「僕が子供のころから見て育った方たち、演技の上では教科書といえるような俳優さんたちと共演できただけで胸がいっぱい」と語るビョンホンさんに話を聞いた。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 ビョンホンさんが演じるのは、「世界一の殺し屋」とうたわれる元CIAエージェント、ハン・チョバイだ。ウィリスさん演じる元CIAエージェントのフランクとは過去に深い因縁があり、今回、図らずも小型核爆弾を奪ったテロリストとして国際指名手配されてしまったフランクと、フランクの元相棒マービン(マルコビッチさん)を追い詰める役どころだ。

 ビョンホンさんは自身が演じたハンについて、「ハンは完璧な殺し屋。でもほんの1%何かが欠けている。だから、いつもここぞというときにやられてしまう(笑い)。特にブルース演じるフランクには弱い。そこが観客には面白いところで、僕も演じていてとても楽しかった」と説明する。

 ハンは、自家用ジェット機を所有するセレブな暗殺者で、ビョンホンさんの言葉を借りるなら「最初から最後までシリアスを貫き通し、常に怒りに燃えている」キャラクターだ。フランクやマービンがどこか滑稽さをを漂わせているのに対して、ハンはひたすらクールを貫く。「シナリオを読んだとき、例えば面白いせりふを言うとか、笑わせようとするくだりがあったら、僕も出演をためらったと思う」とオファーが来たときのことを振り返す。演じるに当たってディーン・パリソット監督から言われたのは、「とにかく自家用機に執着し、フランクに対して怒りをぶつける。それをすればするほど面白いキャラクターになる」ということだった。ビョンホンさんもその言葉に納得し、「とにかくシリアスに演じよう、強い怒りを感じさせる演技をしようと作戦を立てて臨んだ」という。

 見せ場は数々あるが、中でも印象的なのは「内面の美しさ、人柄は素晴らしく、毎回会うたびにいろんなことを感じさせ、学ばせてくれるすてきな方」とたたえるミレンさん演じる英国MI6の元スパイ、ビクトリアとスポーツカーに乗り、ターゲットを追いかける場面だ。ハンドルを握るのはハン。助手席に座るビクトリアが、両手で拳銃を撃ちまくる。この場面について、「ミレンさんが僕の胸のあたりにあった銃と、ズボンのポケットにあった銃を抜き取って撃つという設定でしたが、取り出しやすいよう1丁を、僕のズボンの前あたりにさしておいたんです。最初は彼女も大事な部分に触れてはいけないと照れくさそうにして、笑ってしまったりしてなかなかうまくいきませんでしたが、何度かやっているうちにスムーズにできるようになりました」と当時の様子を笑いながら回想する。

 映画では、フランクがハンの自家用ジェット機に乗り込み、ハンの子供のころの写真を手に取る場面がある。実はその写真、ビョンホンさんの本物のプライベート写真で、4~5歳のころ、父親と一緒に撮ったものだという。自家用機だからそのぐらいあるだろうということで撮影前にパリソット監督から頼まれて貸したそうだが、ビョンホンさんは、そのことをすっかり忘れていた。数カ月後、撮影でセットに行き、飛行機の中を見回すと、その写真が拡大されて貼ってあった。「感激しました。実は父はハリウッド映画が大好きで、テレビで放送されるたびにそれを見ながら僕に、映画のことや俳優のことなどいろんなことを話してくれたんです。残念ながら、父は僕が子供のころに亡くなりましたが、父にとってハリウッドは夢の世界だったと思います。ですから写真ではありましたが、父がハリウッドデビューを果せたことは、僕にとってとてもうれしいことでした」としみじみと語る。

 心温まるエピソードはまだ続く。パリソット監督にその思いを伝えると、監督もいたく喜び、ビョンホンさんの父親の名前を「ハンの父」という役名でエンドロールのクレジットに入れてくれるようプロデューサーにかけあってくれたという。ところが、そのシーンがカットされるピンチに! そのときもパリソット監督は「ほかのシーンは切ってもいいが、そこだけは絶対切らないでくれとスタッフに言ってくれて。だから僕はこの映画を見るたびに、エンドロールのクレジットで父の名前を見てから席を立つようにしているんです」と感無量の様子だった。そして「僕にとって感謝のしようがないくらいありがたい存在」とパリソット監督への謝意を示した。

 もし続編が作られ、出演のオファーが来たら、「僕にとってはこの上なく光栄なこと」と出演の意欲を見せるビョンホンさん。彼にそういわせるほど完成した作品に満足しているという「REDリターンズ」は、11月30日から全国で公開中。

 <プロフィル>

 1970年生まれ、韓国ソウル出身。1991年、韓国テレビドラマ「アスファルト 我が故郷」で俳優としてのキャリアをスタートさせる。以降、「美しき日々」(2001年)、「オールイン運命の愛」(03年)、「IRIS アイリス」(09年)など数々のテレビドラマに出演。日本のテレビドラマ「外交官 黒田康作」(11年)にも出演している。映画出演作には、「JSA」(00年)、「甘い人生」(05年)、「グッド・バッド・ウィアード」(08年)、「悪魔を見た」(10年)、「王になった男」(12年)などがある。「G.I.ジョー」(09年)でハリウッド進出を果たし、続編「G.I.ジョー バック2リベンジ」(13年)にも出演。12年、米ロサンゼルスはハリウッドにあるチャイニーズ・シアター前に手形と足形を刻んだ。

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