映画化された「僕は妹に恋をする」(2006年)や「僕の初恋をキミに捧ぐ」(09年)などで知られるマンガ家・青木琴美さんの人気マンガが原作の映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」(小泉徳宏監督)が14日に公開される。「タイヨウのうた」(06年)の小泉監督がメガホンをとった。主人公の小笠原秋を演じるのは、映画でラブストーリーは初挑戦となる佐藤健さん。ヒロインの理子役は、オーディションで5000人の中から選ばれた新人・大原櫻子さん。スガシカオさんやJUJUさん、いきものがかりなど多くのアーティストのプロデュースやアレンジを手がけ、東京事変のベーシストだった亀田誠治さんが音楽をプロデュースし、音楽業界を舞台にした物語の世界を盛り上げている。
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バンド「CRUDE PLAY」(通称クリプレ)は、若者から絶大な人気を誇るバンドで、天才サウンドクリエーターの秋(佐藤さん)はもともとベース担当だったが、音楽プロデューサー・高樹総一郎(反町隆史さん)の方針に納得がいかず、バンドを脱退。楽曲を提供して表舞台には姿を現さず、陰からバンドを支えていた。人気の歌姫・茉莉(相武紗季さん)の楽曲も高樹のゴーストライターとして手掛け、仕事は順風満帆だった。しかし音楽が消費されていくことに疲れ果て、心は満たされていなかった。ある日、秋は偶然出会った女子高校生・小枝理子(大原さん)に声をかける。理子は秋が歌う鼻歌に心奪われて、一目ぼれ状態。秋は理子にうその名前を告げ、さらにうそを重ねていく。同級生とバンドを組んでいる理子は、クリプレの大ファンだったのだが……という展開。
偶然出会った男性が、憧れのバンドの曲を手掛けている人で、その彼は心傷ついている……。彼の方は、むくな彼女と出会って一歩を踏み出していく。そんな少女マンガのホワホワしながらも少し痛みを伴う恋愛と、夢ある若者の前に立ちはだかる大人の事情満載の音楽業界という二本柱が、ストーリーを引っ張る。なんといっても、亀田さんが音楽をプロデュースしているのが大きい。5組分7曲を書き下ろし、音楽でマンガの世界を鮮やかに彩り、耳を楽しませる。オーディションで選ばれたヒロイン・大原さんはぎこちなさも初々しく、そこが恋する女の子らしさにつながって、見ていて可愛らしい。澄んだ歌声も魅力的な期待の新人だ。14日から全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。
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