話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、アニメ化も決定している「一週間フレンズ。」です。スクウェア・エニックス「ガンガンJOKER」編集部の湯本彰伸さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−この作品の魅力は?
大事な友達の記憶を1週間で忘れてしまう香織と、彼女と友達になりたい祐樹。二人が繰り返し、積み重ねていく数々の1週間は、確かにつらく困難なものです。ですが、何度でも友達になろうとする祐樹や香織たちの姿は、青臭くもあるけれど、とても一生懸命で温かいものです。「友達になる」ということと真っ正面から向き合う彼らに、同年代の方々はもちろん、かつて青春時代を過ごした方々も、何かしら共感してもらえるものと思います。
−−作品が生まれたきっかけは?
最初、葉月抹茶さんとは「別れる可能性をはらんだ恋愛もの」という企画を進めていました。そこからいろいろ案を出し合ったり、いろんな作品を見たり読んだりしながら、前作の「君と紙ヒコーキと。」のテーマが「幼なじみ」だったのに対して、次回作は「友達」をテーマにしようとなりました。それと同時に「友達になる」ことと正面から向き合っていくキャラクターたちが生まれていきました。
−−編集者として作品を担当して、今だから笑えるけれど当時は大変だったナイショのエピソードを教えてください。
コミックス1巻を作っているときに、葉月先生の原稿修正の量が半端なく多かったときです(笑い)。前作では、そこまで修正がなかったので、今回もあまりないかなーと思って、「修正がありましたら、いついつまでに送ってください~」という話をしていたら、その日になって1冊まるまるに近い修正原稿が! 先生の作品への愛情と絶対直しておきたい!という情熱を感じました。2巻からは最初に「どのくらい修正ありますか?」と聞くようになりました(笑い)。
−−今後の展開は?
修学旅行編ということで、楽しい時間を過ごしている香織たちです。将吾と沙希のわだかまりにも一応決着がついたようで、気になるのは祐樹がモヤっと思っていること。「香織の特別な友達ではなくなってきているのではないか」という点ですよね。記憶のリセットが起きたあとの香織は、祐樹たちと再び友達関係を築いているようですが、リセット前の香織とは確実に違う香織なわけで……。祐樹の予感がどんなふうに物語に絡んでいくのか、僕も葉月先生と一緒にキャラたちの動きを追っていきたいな、と思っています。
−−読者へ一言お願いします。
ガンガンJOKER12月号、そしてコミックス4巻にてテレビアニメ化が発表された「一週間フレンズ。」。誰もが経験したことのあるような、イージーモードでは過ごせない青春時代。だからこそ何度でもチャレンジし続けるキャラクターたちに、きっと共感してもらえるのではないでしょうか。ダメになったらそこで終わりではなくて、何度でも挑戦していく、という意志を感じていただけたらと思います。ほんわかした雰囲気の中に、心を打つアツさもある「一週間フレンズ。」をよろしくお願いします。
スクウェア・エニックス ガンガンJOKER編集部 湯本彰伸
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