落語を聴ける場所といえば寄席。日本人なら一度は行って大笑いしたい場所だ。元日からの興行は初席と呼び大混雑だが、今年1年を締めくくる年末の興行は、実はじっくりと落語が聴ける穴場だ。浅草演芸ホール(東京都台東区)の夜の部(午後4時40分開演)では、27日まで「もうちょっぴりちがう寄席」が開かれている。トリを務めるのは瀧川鯉朝(たきがわ・りちょう)さん。1992年入門の45歳だが、落語の世界ではまだ若手に近い中堅世代。古典落語だけでなく、マニアックともいわれる新作落語も手がける、落語界に異端児の一人。
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「普段の寄席とは違った出演者、違った雰囲気で、新しいお客さんにも寄席に足を運んでほしい」と常々考えていたという。そんな鯉朝さんに年末の夜のトリ(主任)が任された。「最後の最後の出演はネタになりそうですし。演芸ホールの社長からもどんどんやりなさいと励まされました」という。
「東西で落語家は約800人。でも年末にトリを取れるのはわずかですから光栄です。25日はクリスマスに関するネタを。高座を終えたら、演出も。ちょっと違った趣向でお客さまをお送りしようと思ってます」と話す。年末を寄席で過ごしてから、浅草寺や飲食街など浅草の夜を楽しむのも粋な年末の過ごし方だ。
ゲストも普段とは違う芸人が登場する。関西からゲスト出演の上方落語は26・27日は桂文枝一門で和歌山出身の爆笑派、桂文福(ぶんぷく)さん。
色物と呼ばれる漫才など諸芸からのゲストは、26日が最近は原発事故取材でも知られる、夫婦音曲漫才コンビ「おしどり」。「高座で夫婦の本性を現すと思いますよ」と鯉朝さん。27日は漫談のウクレレえいじさん。
「チラシ代やチラシの郵送費もかかりましたが、一番大きいのは毎日の打ち上げ(笑い)。客人をお呼びしているので。浅草の安いところで飲んでます」と笑う。 料金は2500円。午後6時以降に入場は2000円、午後7時以降は1500円で入場できる。問い合わせは同ホール(電話03・3841・6545、サイトhttp://www.asakusaengei.com/)。(油井雅和/毎日新聞)