岩井俊二:「なぞの転校生」で連ドラ脚本初挑戦 「実はSFファン」

ドラマ「なぞの転校生」の会見に出席した岩井俊二さん
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ドラマ「なぞの転校生」の会見に出席した岩井俊二さん

 映画監督として知られる岩井俊二さんが8日、東京都内で行われた連続ドラマ「なぞの転校生」(テレビ東京系)の会見に出席した。ドラマは、眉村卓さんのSF小説が原作で、今回連続ドラマを初めて企画プロデュースし、脚本も担当した岩井さんは、「SFが大好きで、実は相当SFを書いていた。なかなか世に出る機会がなかった」と明かしながら、「中学1年生のときに眉村作品に出合った。眉村作品を手掛けるのは至福の時間だった」と充実した表情。

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 「なぞの転校生」は、70年代に話題を呼んだジュブナイル(10代向けの小説)で、75年にNHKでドラマ化。98年には映画化もされ、今回、同局の「ドラマ24」枠で39年ぶりにドラマ化される。岩井さんは1話30分全12話、計6時間の作品として書き上げることに苦労したといい、「友人の北川悦吏子に『連ドラって大変だね』と言ったら、『そっちは30分だけど、私は1時間書いているのよ』って言われました。書いても書いてもまだ足りない」とエピソードを披露し、記者たちの笑いを誘っていた。

 ドラマでは、SF好きの高校2年生・広一を中村蒼さん、広一の隣に引っ越してきた“謎の転校生”典夫役を本郷奏多さん、広一の幼なじみでクラスメートのみどりを新人女優の桜井美南さんが演じる。映画「夜のピクニック」の長澤雅彦監督がメガホンをとり、ミッキー・カーチスさん、京野ことみさん、濱田マリさんらも出演する。

 会見には、中村さん、本郷さん、桜井さん、長澤監督も出席。撮影について「怒濤(どとう)の1カ月間で大変だった」と振り返った中村さんは、共演者の中に現役の高校生がたくさんいたことから、「一生懸命とか努力という感じがあった」と印象を話し、「それは大切で今でも持っていないといけないけど、どうしても薄れてきてしまっていた。でも改めて大切なことなんだと思わされて初心に帰ったという感じだった」としみじみと話していた。

 本郷さんは「たくさんリハーサルして、テストして、カメラ位置を作って、照明を作ってということは基本的にはほとんどしないスタイルだったので、最初は戸惑った」と普段の撮影方法とは違っていたといい、「初心に帰らされた感がすごくあった」と影響を受けた様子だった。オープニングテーマ「今かわるとき」でCDデビューを果たし、今作が連続ドラマ初出演となる桜井さんは「クランクインはすごく緊張したけど、監督さん、キャストの皆さんが優しい言葉をかけてくださった」と笑顔で話していた。ドラマは10日スタートで、毎週金曜深夜0時12~52分にテレビ東京系で放送。

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