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注目映画紹介:「ジャッジ!」 妻夫木主演 CM職人が作ったテンポのいい業界ドタバタ劇

映画
「ジャッジ!」の一場面 (C)2014「ジャッジ!」製作委員会

 広告業界を舞台に、落ちこぼれクリエーターにふんした妻夫木聡さんが奮闘する映画「ジャッジ!」(永井聡監督)が、11日から全国公開される。脚本を担当したのは、ソフトバンクモバイルの「ホワイト家族」シリーズをはじめ数々のCMを手掛けてきたCMプランナーの澤本嘉光さん。メガホンをとったのは、サントリーや大塚製薬などのCMを担当してきたCMディレクターの永井監督。さすが、人の心をつかむCMを世に送り出してきた “職人”たちが作っただけのことはあり、テンポよく進むストーリー展開に瞬く間に入り込めた。年明けの景気づけにはもってこいの作品だ。

 広告代理店に勤める太田喜一郎(妻夫木さん)は、何かと同じ名字のデキる同僚、大田ひかり(北川景子さん)と比較され、上司や先輩に軽んじられている。そんな喜一郎が、世界一のCMを決める広告祭に審査員として参加することに。無責任な喜一郎の上司が、あるCMを入賞させなければクビとの上からの命令におののき、損な役回りを喜一郎に振ったからだ。喜一郎は優秀な大田に同行を頼み、広告祭が開かれる米サンタモニカに向かうが、そこでは海外の審査員たちが激しい工作合戦を繰り広げていた……という展開。

 喜一郎の上司、大滝一郎(区切る箇所を変えれば喜一郎と“同姓同名”)はとんでもないクセモノ上司。部下の手柄は自分のもの、都合が悪くなるとさっさと身を引くすばやさはまさに神業だ。そんな“無責任男”をクールな二枚目、豊川悦司さんがひょうひょうと演じ、笑いを提供している。そんな大滝に振り回されっぱなしの喜一郎。今作では、妻夫木さんがキツネの着ぐるみに実際に入ったというが、そのナイスなキャラは、妻夫木さん自身の人柄のよさが乗り移ったと思えるほどのハマり役だ。また、リリー・フランキーさんが片手でペンを自在に操る窓際社員 “鏡さん”にふんし、わずかな登場場面ながら強烈な印象を残している。ほかにも竹中直人さんや松本伊代さん、加瀬亮さん、荒川良々さんらが思いも寄らぬ役で登場する。これもまた、スタッフがCM界に精通した職人のなせる業なのだろう。

 CMクリエーターだからこその笑いの小ネタが随所にちりばめられ、ところどころで喜一郎が語る本音にはホロリとさせられる。喜一郎の「CMで人を幸せにしたい」という思いが、永井監督、澤本さんのそれと重なった。11日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78)と「恋におちて」(84)。2014年が明けました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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