大泉洋:東京進出10年 「速度を緩めて丁寧に」俳優業への思い語る

WOWOWの連続ドラマ「地の塩」の撮影を振り返った大泉洋さん
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WOWOWの連続ドラマ「地の塩」の撮影を振り返った大泉洋さん

 俳優の大泉洋さんが、16日から放送されるWOWOWの連続ドラマW「地の塩」で、遺跡捏造(ねつぞう)騒動に巻き込まれる考古学者役で主演している。大泉さんは「こういう影のある役ができるというのはうれしかった。新しい一面を引き出してもらえたのではないか」と新境地となる役を喜んでいる。「役者はいろんな役をやりたいと思うのが普通。ものすごく悪い役もやりたいし、ただバカバカしい役もやりたい。いろんな仕事をするようになったのは30歳になってからだった」とこれまでの役者業を振り返った。

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 ドラマの脚本は、連続ドラマW「パンドラ」シリーズなど手がけてきた井上由美子さんが担当した。考古学者・神村賢作(大泉さん)が、定説では日本に人類が存在しないとされる時代の遺跡を発見し、その功績は教科書編集者・佐久間里奈(松雪泰子さん)の尽力で、歴史教科書への掲載が決まる。しかし、神村が新たに着手した発掘現場から13年前に行方不明だった女子学生の人骨が見つかり、里奈の元には、神村の発掘が捏造だという学者が現れる……という内容。大泉さん、松雪さんのほか、田辺誠一さんが未解決事件を追う刑事・行永太一を演じ、神村の先輩で、神村の活躍を嫉妬しつつも見守る文部科学省の沢渡善三を、陣内孝則さんが演じる。

 大泉さんは「初めて東京の連ドラに出たのが2004年ですから、ちょうど10年。そう考えると駆け抜けるようだった」と自身の仕事ぶりを振り返り、「『俺、できるな』とか、自信を持った発言は絶対しないけれど、この役をやらせてもらったのはうれしい」と笑顔で語った。とはいえ、考古学者というめずらしい設定に、なかなかイメージが湧かなかったという。苦労したのは「大事なシーンでの長ぜりふが大変でした。演説シーンもある。覚えるのが大変というよりは、目の前にたくさんの人がいる状態で(芝居を)やるのが難しかった。人が前にいるとやっぱり見ちゃう。ずいぶん過度な演技をするエキストラさんだなとか思っちゃうと、集中が切れて(せりふを)忘れる」と苦笑した。

 松雪さんとの共演は「すごく勉強になりましたし、本当にお美しい方で、常に身が引き締まる」と振り返った大泉さん。「松雪さんとのシーンは全部シリアスで、まっすぐな目で見られるとドキッとする、お芝居に求心力がある」と感心していた。一方、陣内さんについては「陣内さんが出ていたトレンディードラマがドストライクでしたので、(共演は)うれしかったですよ。興奮して最初は『見てました!』と、熱い思いを伝えていました」と語り、「陣内さんもトチることはあったんですけれど、とちり方に華があった。『あ、ごめん。でも俺、ブルーリボン賞を取っているから』と、自分の取った賞をいちいちおっしゃるので面白い!」と撮影現場の明るい雰囲気を明かした。

 「40歳になって、周りがゆっくり見えてきた。ずっと一生懸命やってきた分、やっと自分の走っている地面が踏み固められた」と語る大泉さん。今後は「もう少し、速度を緩めて丁寧に演じていきたい気持ちもありますね。いいものを丁寧に作っていきたい」と力を込めた。テレビで活躍して10年目を迎え、「(三枚目の)イメージがつき始めているのはよくも悪くもある。でも、はまり役に出会った結果でもある」と自己分析したが、「やはり、いろんな役がやりたいというのが根っこにある。今年もいい出会いがあると願っております!」と熱く語った。ドラマはWOWOWプライムで16日から毎週日曜午後10時放送。全4話で、第1話は無料放送となる。

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