佐藤隆太:デビューから15年…俳優業への思い語る 「役者ってすごく面白い仕事」

俳優業への思いを明かした佐藤隆太さん
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俳優業への思いを明かした佐藤隆太さん

 俳優の佐藤隆太さんが主演し、小川洋子さんの小説を映像化するスペシャルドラマ「人質の朗読会」が8日、WOWOWで放送される。南米のテロ事件で死亡した日本人人質の生前の声が収められたテープを巡る物語で、テープを公開するラジオ局記者を演じる佐藤さんは「みんなの声を聞くという立場なので、受ける芝居が多かった。受けの芝居は結構苦手だったので、そういった意味でも自分の中でチャレンジさせてもらえた作品」と力を込める。「役者ってすごく面白い仕事」と語る佐藤さんに、俳優業や作品について聞いた。

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 「人質の朗読会」は、「博士の愛した数式」「妊娠カレンダー」などの作品で数々の受賞歴を誇る小川さんの同名小説が原作。南米のとある国で発生したテロ事件で、日本人の人質6人が全員死亡する。2年後、ラジオ局の報道記者の中原誠一(佐藤さん)は、遺族の一人から電話を受け、人質の声が収められたテープを託される。それは当時、事件解決に動いていた政府軍が仕掛けた盗聴器によるもので、そこには、拘束された6人それぞれが心に残っている出来事を発表する“人生の朗読会”が収録されていた……という物語。「時をかける少女」の谷口正晃さんがメガホンをとった。

 ドラマについて、佐藤さんは「つらい話ではありますが、読んだあとにちゃんと希望が見える。映像を見終わった後あと、傷ついた心をちょっと癒やしてくれて、背中を押してくれる。あったかい気持ちになれる」と紹介し、「主人公は人質の皆さんという思いが強いので、人質の皆さんのお芝居に注目してほしい」と見どころを語る。

 佐藤さんといえば、ドラマ「木更津キャッツアイ」(TBS系)に登場する“爆発頭”のマスター役や、「ROOKIES」(TBS系)の熱血教師・川藤幸一役などで人気を集め、最近はシリアスな役にも挑戦している。明るい役の印象が強いと伝えると、「よく言われます。いろんなキャラクターをやらせてもらっていますが、自分が想像している以上に(視聴者の中で)僕のイメージが固まっている」と話す。

 そうしたイメージを「壊したいとは思わない」と話した佐藤さん。「この役を佐藤に」とオファーが来ることが「うれしい」といい、「どんなキャラクターでもできるだけ応えていきたい」と頼もしい答えが返ってきた。さらに、「これはやらない!というようなことはやっていきたくない」と俳優としての信念も披露。現在放送中の“月9”ドラマ「失恋ショコラティエ」では、主演の人気グループ「嵐」の松本潤さんにときめく“オネエ”な天才ショコラティエ役に挑戦。世間での自身のイメージと異なる役柄をオファーされることが多くなったといい、「これだけいろんな役をやらせてもらえるって、すごく幸せなこと。すごく刺激的」と俳優業の醍醐味(だいごみ)を語る。

 99年、宮本亜門さんの舞台「BOYS TIME」でデビューした佐藤さんに、俳優としての成長を感じるかと聞くと、「ほとんどないです」とキッパリ。自身を「作品に恵まれている」といい、「現場の経験値はついてきている。でも、それぐらいのもんだなという感じ。みんなそうじゃないですか? 成長したとは思わない……」と冷静に自己分析した。それでも、「やり続けるほど、もう一段上に昇りたいという欲は出てくる」といい、「いろんな役をいただけるように、ただひたすら続けるしかない」とさらなる飛躍を誓った。

 ドラマは、8日午後8時からWOWOWプライムで放送。また、佐藤さんにとって、テレビドラマ「池袋ウェストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」以来の宮藤官九郎さん作品出演となった、宮藤さん作・演出の舞台・バカロックオペラバカ「高校中パニック!小激突!!」は、15日午後9時からWOWOWライブで放送。

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