木下半太さんの同名小説を原作に映画化した「サンブンノイチ」が1日に公開された。お笑いコンビ「品川庄司」の品川ヒロシさんの監督第3作で、人生の一発逆転を狙う3人の男が銀行強盗で奪った大金の分け前をめぐり、横取りを企む人々を巻き込んで起こす壮絶な争いをシニカルに描いている。品川監督にとって初めて自作ではない原作の映画化で、銀行強盗をする3人組は、雇われ店長のシュウ役を藤原竜也さん、ボーイのコジ役を田中聖さん、常連客の健さん役をお笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」の小杉竜一さんがそれぞれ演じテンポのいい掛け合いで楽しませる。ほかにも破天荒な登場人物たちを中島美嘉さん、窪塚洋介さん、池畑慎之介☆さんら個性的なキャストが演じる。
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川崎にあるキャバクラ「ハニーバニー」の雇われ店長シュウ(藤原さん)は、競馬場で売上金400万円が入ったセカンドバッグを盗まれてしまう。オーナーの破魔翔(窪塚さん)にばれるのを恐れ、キャバ嬢のまりあ(中島さん)に連れられ伝説的金貸し・渋柿多見子(池畑さん)から1週間以内に利子をつけて返すことを条件に金を借りる。頭を抱えるシュウに、追い詰められていたまりあは銀行強盗を持ちかけ、裏カジノで借金を背負ったボーイのコジ(田中さん)と破産寸前の常連客・健さん(小杉さん)の3人で銀行強盗を実行。大金を手にした3人だが、3分の1ずつ分けようとした段階で仲間割れが起き、まりあや破魔、渋柿らの思惑もからんで一騒動に……というストーリー。
今作の最大の面白さは、藤原さんの演技に尽きる。もちろん脚本やせりふ回しの妙はあるが、藤原さんの表情や雰囲気が絶妙で、破壊力抜群の笑いを生み出している。シュウ以外の登場人物についても原作のイメージ通り、いや、それ以上のハマリ役だ。特に破魔翔を演じた窪塚さんの演技はぶっ飛んでいながらもどこかカッコよく、藤原さんと窪塚さんのからむシーンでは思わずニヤニヤしてしまう。時間軸が入り組んだ構成だが、だましあいが続いていく展開とマッチして最後の最後までうそをついているのは誰かを分からなくさせ、強盗3人組の絶妙な掛け合いとともにテンポよく楽しませてくれる。クエンティン・タランティーノ監督へのオマージュが随所に見られ、映画ファンにはたまらない小ネタが満載。お笑い芸人でもある品川監督ならではの演出と、破滅に向かう情けなくもどこか憎めない男を演じる藤原さんの演技が光る。角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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