注目映画紹介:「上島ジェーンビヨンド」竜平主演第2弾 前作の5年後を描くドキュメンタリー風作品

「上島ジェーンビヨンド」のイメージカット (C)2014 PONY CANYON INC.
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「上島ジェーンビヨンド」のイメージカット (C)2014 PONY CANYON INC.

 お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さんの初主演映画「上島ジェーン」の続編となる「上島ジェーンビヨンド」が公開中だ。「上島ジェーン」は、上島さんが自身の存在意義と日々の暮らしの中からの脱却を求めて後輩のお笑い芸人・有吉弘行さんとともにサーフィンに挑戦する姿を追ったドキュメンタリー風の作品。今作は前作の5年後を舞台に、上島さんが再びサーフィンに挑むことで巻き起こる騒動の数々を描く。サポート役としてダチョウ倶楽部のリーダー・肥後克広さんが出演するほか、お笑いコンビ「オアシズ」の大久保佳代子さんやお笑いコンビ「品川庄司」の品川祐さん、元AKB48・SDN48の野呂佳代さんら多彩な顔ぶれがそろった。前作に続きマッコイ斉藤監督がメガホンをとった。

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 「上島はあのとき、波に乗れなかったから、今でも芸能界の波にも乗れないクズなんだ、もう1回千葉の波にもまれてはい上がってこい」という後輩の有吉の言葉を胸に、上島さんは再び千葉県志田下の海へとやって来た。超多忙になった有吉の代わりにサポート役にはサーフィン素人でスケジュールを合わせやすい肥後が選ばれた。5年前と変わらず志田下の海と仲間たちが温かく迎えてくれるが、上島はまたもや恋をしたりトラブルも巻き起こす。誘惑と困難に立ち向かいながら、上島は本気でサーフィンに取り組もうとシニアの大会にエントリーするが……というストーリー。

 続編だが、上島さんや肥後さんらが本人役で出演する、笑いがちりばめられたドキュメンタリー風の作品のため、前作を見ていなくても気楽に楽しめる。とにかく上島さんがどこまでも最低な人間として描かれるため、笑いながらも本気でイライラしてしまいそうになるが、そこは上島さんの演技力のたまものか。サーフィンのカッコよさや千葉の海の美しさに加え、劇中で上島さんがプロデュースするアイドルユニット「九十九里ッターズ」をはじめサウンド面の出来がいい。ストーリー的にも男女の物語やバイオレンスともいえる過激さ、どんでん返しもあるなどエンターテインメントとして完成度が高い。鬼才演出家・マッコイ斉藤監督の演出で、散々な目に合わされている野呂さんの演技のポテンシャルの高さに驚かされる。シネマート新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽、ゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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