ドラマ化もされた「チーム・バチスタ」シリーズの10年後を描いた海堂尊さんの新作「アクアマリンの神殿」(角川書店、7月2日発売)は、「ナイチンゲールの沈黙」や「モルフェウスの領域」などに登場する少年・佐々木アツシが主人公となる先端医療エンターテインメント小説だ。世界初の「コールドスリープ<凍眠>」から目覚め、未来医学探究センターで暮らす少年・佐々木アツシは、深夜にある美しい女性を見守っていたが、彼女の目覚めが近づくにつれて重大な決断を迫られ、苦悩することになる……というストーリー。マンガ家の深海魚(ふかみ・さかな)さんのカラーイラスト付きで、全24回連載する。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
◇夏美の学園生活編 3 保健室情報
そんな麻生夏美が、ぼくの側に寄ってきてこう切り出したのは、中学三年の期末試験も無事に終わり、後は夏休みを待つばかりという七月、周囲が浮かれ始めたある日のことだった。
「四十七日ぶりに、佐々木クンにちょっとお話があるの」
ぼくは即座に四十七日前のエピソードを思い出す。例の“洞ヶ峠発言”だろう。
もちろんあれが四十七日前だという認識はなく、麻生夏美に言われたから、そう思っただけだ。ひょっとして五十一日前かもしれず、四十五日前と言われても、素直にうなずいただろう。
だけどそれはゲタとのギャンブル、三年一学期の中間試験の直後のことしかありえない。なにせぼくはあの日から麻生夏美と会話どころか、接触もしなかったのだから。
「佐々木クンって、どんな授業でも居眠りしているから、ひそかにソンケーしていたのに、何だか裏切られた気分だわ。病気で診断書を提出したなんて、それなら合法じゃないの」
「何で麻生がそんなことを知っているんだよ」
「保健室情報よ」
「有川先生が喋ったのか。患者の個人情報漏洩は厳罰に付されるんだけどな」
ぼくが非難の色をにじませて言うと、麻生夏美はあわてて首を振る。
「違うの、保健室で寝ていたら、新任の野田先生が佐々木クンの居眠りグセをコボして、保健室の有川先生がぽろっと答えたのが聞こえてしまったワケ。これって不可抗力でしょ?」
確かに不幸な事故だったと言えないこともない。でもぼくの個人情報がダダ漏れになってしまったことには変わりがない。そこで、この件に対応せざるを得なくなった。
<毎日正午掲載・明日へ続く>
タレントの黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」(講談社)が、「最も多く発行された単⼀著者による自叙伝」として12月14日、ギネス世界記録に認定された。1981年3月6日に刊…
松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)の第32回「小牧長久手の激闘」が、8月20日に放送される。家康(松本さん)は秀吉(ムロツヨシさん)側の1…
アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーの松村沙友理さんが、6月9日発売のムック本「じゃらん酒旅BOOK 2022 保存版」(リクルート)の表紙に登場する。
アイドルグループ「乃木坂46」のデビュー10周年記念公式ムック「N46MODE(エヌヨンロクモード) vol.2」(光文社、5月10日発売)の裏表紙が5月5日、公開された。
アイドルグループ「乃木坂46」のデビュー10周年記念公式ムック「N46MODE(エヌヨンロクモード) vol.2」(光文社、5月10日発売)に掲載される、樋口日奈さんと早川聖来さ…