テレビ試写室:「おやじの背中」第7話 渡辺謙&東出昌大がドラマで“将来の親子”を好演

TBS提供
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 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、24日午後9時に放送されるオムニバスドラマ「おやじの背中」(TBS系)の第7話「よろしくな。息子」だ。

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 「おやじの背中」は、倉本聰さんや三谷幸喜さんら脚本家10人が父と息子・娘という同じテーマで書いた脚本を実写化する各話完結ドラマで、第7話は山田太一さんが脚本を担当した。最近見合いをして断られた渡辺謙さん演じる靴職人の男・浩司が、気持ちの整理をつけられずに、東出昌大さん演じる見合い相手の息子・祐介に一目会ってみたいと、こっそりとアルバイト先のコンビニを訪れるが、偶然強盗に遭遇してしまう……という展開。

 渡辺さんと、その娘で女優の杏さんとの交際が報じられている東出さんの初共演が放送前から話題だったが、ドラマの魅力はそのユニークな脚本にある。冒頭からあり得ない展開に、思わずニヤリとしてしまうことは間違いない。東出さんは、一見軟弱に見えるが、実は芯のある“今時の若者”という難しい息子役を好演し、渡辺さんは見合い相手だけでなく、その息子にもほれ込んでしまうという男をコミカルに演じている。

 見どころは、2人の長ぜりふの掛け合いで、はじめは仕事一筋の職人気質で不器用な男に思えた浩司が、話せば話すほど魅力が増していく。一度会っただけで「靴職人を継がないか」と唐突すぎる提案を祐介に持ちかけるが、それもいいかと思えてしまえるような説得力のある渡辺さんの演技から目が離せなくなる。実の親子ではなく、“将来の親子”が描かれるというホームドラマとして異色な設定にも注目したい。

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