注目映画紹介:「LUCY ルーシー」 脳が100%覚醒したヒロインをヨハンソンが氷の表情で演じる

(C)2014 Universal Pictures
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 リュック・ベッソン監督の最新作でパリ、ニューヨーク、台北を舞台にスカーレット・ヨハンソンさんを主演に迎えて初タッグを組んだアクション大作「LUCY ルーシー」が29日に公開される。全米でベッソン監督のキャリア史上最高のオープニング興収を記録した話題作で、通常10%しか機能していない脳が100%に覚醒してしまったヒロイン・ルーシーをヨハンソンさんが演じている。その他、脳科学者役でモーガン・フリーマンさん、マフィアのボス役でチェ・ミンシクさんが出演。

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 ルーシー(ヨハンソンさん)はボーイフレンドから台北市内のホテルに鞄(かばん)を届けてほしいと頼まれたことで、マフィアの闇取引に巻き込まれてしまう。マフィアのボス(ミンシクさん)に促されて鞄を開けてみると、いくつかの袋が入っていた。争いの中で気を失ったルーシーがふと目覚めると、おなかに傷跡があり、「本国に帰る手はずになっている」と告げられる。マフィアは袋を海外へ密輸するため、人間の体内に埋め込んだのだ。しかし、ルーシーの体内に埋め込まれた物質が漏れ出すアクシデントがあり、脳が覚醒。強大なパワーに目覚めたルーシーは、物質が世界に拡散するのを防ぐ使命にかられ、警察に通報し、脳科学者の権威ノーマン博士(フリーマンさん)のいるパリへと旅立つ。しかし、マフィアの一行がルーシーの元に迫って来ていた……という展開。

 弱さもある普通の女性から、新型ドラッグによって脳が覚醒していくに従い、知能も肉体も予想を超えた能力を発揮させていくヒロイン・ルーシー。追っ手のマフィアから逃げながら、目的に向かって一直線に駆け抜けるクールさにはドキドキさせられる。屈強な男を投げ倒すのは序の口、外国語を簡単にマスターし、自らの細胞もコントロールでき、空中を飛び交う電波までも見えてしまう。ルーシーはどんどん強くなるのに比例して人間らしい感情を失っていく。ヨハンソンさんは氷ような表情でキビキビと行動するため、見ていて少々怖さを感じるものの、なんともスリリングだ。「悪魔を見た」(2010年)「新しき世界」(13年)のミンシクさん演じる冷徹極まりないマフィアのボスと、ルーシーが対峙(たいじ)するシーンはゾクゾクするほどのスリリングさだ。ルーシーの五感を表すスタイリッシュな映像がハイスピードで流れ、人類の進化を瞬時に体感させられて鮮烈な印象を残す。29日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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