ROOT FIVE:「僕らは予定調和が嫌い」 人気歌い手5人組がアニメED曲をリリース

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 人気“歌い手”5人によるボーカリスト集団の「ROOT FIVE(ルートファイブ)」が、ニューシングル「キミノミライ」を19日にリリースした。アニメ「FAIRY TAIL」(テレビ東京系)のエンディングテーマとしても人気の同曲について、また、ROOT FIVEの未来について話を聞いた。

ウナギノボリ

 −−シングル「キミノミライ」は、アニメ「FAIRY TAIL」のエンディングテーマとして人気のナンバーですね。

 koma’nさん:僕は小学校のとき、「FAIRY TAIL」の作者の真島ヒロさんが描いていた「RAVE」という作品も好きだったんです。当時は、お姉ちゃんとどっちがマンガを買うかで、けんかになったという思い出もあります。大好きな作者さんの作品に携われたので、とてもうれしいです。

 ぽこたさん:僕は(「FAIRY TAIL」が連載されている)「週間少年マガジン」(講談社)をずっと読んでいるので、「FAIRY TAIL」も最初からずっと読んでいました。絵とかストーリーとか、すごく入りやすいので好きですね。

 蛇足さん:僕は、マンガ全般を読んでいるので、そのうちの一つとしてもちろん「FAIRY TAIL」も読んでいます。週刊マンガ誌、月刊マンガ誌、コンビニで買えるものは全誌買うという生活を20年以上送っているので、真島先生の作品は「RAVE」も最初から読んでいたし、「FAIRY TAIL」ももちろんです!

 −−「キミノミライ」は、とても爽やかでアツくて、オープニングでもいいんじゃないかと思うほどカッコいい曲になりましたね。

 ぽこたさん:以前にアニメ「聖闘士星矢Ω(オメガ)」のオープニングテーマ「新星Ω神話(ネクストジェネレーション)」を歌わせていただいたときは、アニメ作品にすごく寄っていたもので、それは制作スタッフからの要望でもあったんです。でも今回は、「FAIRY TAIL」の世界観に寄り添いつつ、ROOT FIVEらしさもしっかり出せたものになりました。

 けったろさん:いつもみんなで考えて、どういう曲にするか決めるんですけど。誰に曲をお願いするかという部分では、他にもいろんな候補の方がいらっしゃったんですけど、みんなの共通意見として、ボカロPでもあるKEIさんがいいだろうって。最終的に前向きになれる部分が、楽曲として強く印象づけられていて、それが少年マンガのテイストとすごく合うだろうと思ったし。

 koma’nさん:KEIさんの楽曲は「新星Ω神話(ネクストジェネレーション)」のダブルA面だった「ボク時々、勇者」という曲と、アルバム「Summer Days」に収録の「はじまりのビート」という曲も歌っています。なので、どんなふうに歌えばKEIさんの曲とマッチするか分かっていたし、メンバーがどんなふうに歌うかもイメージすることができたので、とてもスムーズなレコーディングでした。5人の歌声が融合した感じと、それでいてサラリと個性の違いも楽しめるものになったと思います。いろんな方に聴いてもらうというところでは、どんな方でもすごく入りやすい曲だし、ROOT FIVEのことを少しでも知ってもらえるような楽曲になっていますね。

 蛇足さん:好きな曲です! KEIさんの書く音楽性がもともと好きだというのもあるし。エンディングだけどオープニングっぽいとか、歌詞には「FAIRY TAIL」の魔法の世界と通じる言葉がたくさん入っているとか、すごくうまくできているなって思いますね。

 みーちゃん:最初に聴いたときは、結構爽やかな曲なのかなと思ったんです。でも実際に歌うときに歌詞をよく読んだら、すごく前向きな内容になっていて。実は、すごく熱い曲なんだなって思いましたね。

 −−予定調和を崩して前に進むような精神性が込められているところは、ROOT FIVEの個性ともすごく合っていますね。

 koma’nさん:僕ら、予定調和が嫌いですから。敷かれたレールに沿って生きてこなかった人たちの集まりなので(笑い)。そういった意味でも、僕らがこの曲を歌うことで、より説得力が増しているところがあると思います。

 ぽこたさん:ライブのときにすごく思うんですけど、ライブにはライブのルールがあって、そのある種の予定調和の中で、いかにそれを壊していけるかが大事だなって。普段からそういうことを考えているので、歌詞を読んだときは、すごく共感しましたね。

 −−ミュージックビデオ(MV)では、手から炎を出したり、指から風が吹き出したりとか、コンピューターグラフィックス(CG)を駆使してカッコいい映像になっていますね。

 koma’nさん:僕らの動きと同期してCGが動くんですけど、CGの動きを想像しながら動かなきゃいけなくて。

 みーちゃん:グリーンバックだけで何もない中での撮影だったので、ストーリーとかシーンをイメージするのが大変でした。それだけに、完成したものを見たときは感動しました。

 けったろさん:曲調が爽やかだけど、MVは少しダークな世界観もあったりしたので、衣装はこれでいいのか? とか、最初はなかなかイメージがつかめなかったんですけど……でも、うまくまとまってよかったです。

 蛇足さん:CGだから、どのシーンをどういう順番で撮っているのかもなかなか把握できなかったしね。

 ぽこたさん:勉強になった。いい経験になったよね。

 koma’nさん:撮影に丸1日かかったんですけど、空き時間はみんなで和気あいあいとゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」をやって楽しかったです(笑い)。まあ、これを聴けば、前向きな気持ちになって元気になれると思うので。師走に向けてやる気を出したいときに、ぜひ聴いてほしいです!

 −−では「キミノミライ」というタイトルにかけて、ROOT FIVEの未来への展望を教えてください。

 ぽこたさん:とりあえず日本武道館を目標にしているので、ROOT FIVEとしても4年目に入りますし、頑張りたいです。

 けったろさん:自分たちの好きなことを好きにやっているのが僕らで、以前はそれを漠然とやっていたところがあったけれども、もっと明確な目標もあるべきだと思うので、武道館はやっぱ行かなきゃでしょ。頑張ればそれも果たせないこともないというのが、少し見えてきたので、今がすごく大事。今何をやるか、それがすなわち未来に直結していくんじゃないかと。

 koma’nさん:今まで以上に大きな舞台に立つのもそうですけど。ROOT FIVEはニコニコ動画出身で、まだまだネット出身という見られ方とか偏見みたいなものもあると思います。それを打破して、一アーティストとして、多くの皆さんに喜んでいただけるように、一皮むけていきたいです!

 蛇足さん:メンバー各自でソロ活動もやっているので、それが結果としてROOT FIVEの底上げになって、全員でより成長していけたらと思っていますね。

 みーちゃん:言い方がアレですけど、「うおー! これでもうやめても悔いがない!」と思えるくらいのことをやりたいです。今までもそういう気持ちで臨んできたんですけど、結局その都度また新しい目標みたいなものが見えてきてって感じで、今に至っているんです。だから、常にやり尽くした!と思えるように、これからも頑張っていきたいです!

 蛇足さん:あと、40歳までに結婚したいです(笑い)!

 <プロフィル>

 ニコニコ動画の「歌ってみた」カテゴリの“歌い手”として活動する、蛇足さん、ぽこたさん、みーちゃん、けったろさん、koma’nさんの5人で結成。2011年12月にシングル「MERRY GO ROUND」でデビューした。これまでにシングル7枚、アルバム2枚をリリース。動画再生回数は5人合計で3500万回以上、ツイッターのフォロワー数は、5人合計で90万人超を誇る。メンバーそれぞれがドラマやミュージカルに出演するなど、インターネットとリアルの両面で活躍する。12月5~7日にシンガポールで開催される「ニコニコ国会議~Japan Internet Culture Festival」に出演。同じくシンガポールで12月7日に開催される「AFA2014(アニメフェスティバルアジア2014)」に出演する。

 (インタビュー・文・撮影:榑林史章)

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