冬ドラマ:契約結婚テーマの2作品が好調 杏と柴咲の怪演見どころに

“月9”ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」主演の杏さん(左)と、「○○妻」主演の柴咲コウさん
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“月9”ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」主演の杏さん(左)と、「○○妻」主演の柴咲コウさん

 冬の民放連続ドラマが始まり、結婚のあり方を問う契約結婚をテーマにした二つのドラマに注目が集まっている。女優の杏さん主演で「リーガルハイ」(フジテレビ系)の古沢良太さんが脚本を担当する“月9”ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」(同)と、柴咲コウさん主演で「家政婦のミタ」(日本テレビ系)の遊川和彦さん脚本のドラマ「○○妻」(同)だ。「デート」は平均視聴率14.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と今クール民放連続ドラマトップの好スタートを切り、「○○妻」も初回平均視聴率14.4%(同)と好調だ。両脚本家が持ち味としているのは突き抜けたキャラクターの主人公。この冬は、杏さんと柴咲さんが演じる突き抜けキャラヒロインの恋?の行方が気になりそうだ。

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 ◇「リーガルハイ」古沢VS「ミタ」遊川

 「デート」は、杏さん演じる東大大学院卒の国家公務員の藪下依子と、長谷川博己さん演じる働かずに親に寄生し、“高等遊民”を自称する谷口巧の“恋愛不適合者”同士の恋模様を描くロマンチック・ラブコメディー。古沢さん初の恋愛ドラマとしても注目を集めており、初回は、依子と巧が初デートに挑むシーンからスタートし、時間をさかのぼる形で2人がデートに至るまでがテンポよく描かれた。

 「リーガルハイ」では堺雅人さん演じる“毒舌弁護士”古美門研介のマシンガントークが話題になったが、「デート」でも杏さん演じる超理系で超合理主義者のヒロイン・依子が「何だか分からないけれど、超難しいことを言っている」と周りをびっくりさせるほど相手を圧倒するマシンガントークを展開。初回の終盤で依子と巧が見せた会話劇は大きな見せ場となった。

 一方、「○○妻」は徹底的に夫に尽くす毎日を送る柴咲さん演じる主人公・ひかりと、東山紀之さん演じる辛口ニュースキャスターの夫・久保田正純との“究極の”ラブストーリー。初回(14日)の放送では、夫に尽くす非の打ち所のない妻・ひかりの様子が描かれた。

 「家政婦のミタ」では、松嶋菜々子さん演じる完全無欠だがロボットのような家政婦・三田灯が感情を失うきっかけとなった過去のトラウマが明かされる場面が中盤の大きな見どころとなったが、「○○妻」でも初回終盤でひかりと正純の“秘密”が明かされ、さらなる謎が波紋を広げ、初回から先の読めない展開となった。

 ◇コメディーVSミステリアス

 もう一つ、両ドラマに共通しているのは振り切れたキャラクターを持つヒロイン像だ。「デート」では、デートに挑むも胸に付けるコサージュを頭に付けてしまう姿や男性受けが良いとされる“アヒル口”をしようとして口をとがらせて相手をぎょっとさせるなど“痛い”ヒロインを杏さんが熱演し、コメディエンヌぶりを発揮している。「○○妻」では、「デート」とは対照的に柴咲さんがその存在感を消すほどの抑える演技でミステリアスなヒロインを見事に演じ切った。

 ◇テーマは“契約結婚”

 両ドラマに共通しているテーマは“結婚”だ。「デート」では、「結婚は契約」と恋愛と結婚を切り離して考える依子と新たな寄生先を探す巧の利害が一致し、2人が結婚に向けてデートを重ねていく……というストーリーが展開する。恋愛と結婚は結びついたものだとする“ロマンチック・ラブ”の概念をひっくり返していく依子と巧を通して、“結婚”を問い直す内容になっている。

 「○○妻」も、初回の最後で、結婚をしていると周りには思われていたひかりと正純が実は結婚しておらず、“契約”を結んでいたという事実が明かされた。今度こそ結婚をと迫る正純をかたくなに拒否するひかり。今後はひかりが契約にこだわる理由とひかりの過去が明かされていくという展開が予想されるが、日本テレビが「多様化する男女関係を象徴するような“新しい夫婦のカタチ”を描く」としている通り、結婚のあり方を問いかけている点では共通する。

 有名脚本家が才筆を振るう話題の両ドラマ。キャラクター、ストーリー、テーマなどさまざまな楽しみ方ができる両ドラマの展開に今後も注目だ。

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