橋田壽賀子:“渡鬼”復活の理由明かす 続編にも意欲

「渡る世間は鬼ばかり」スペシャル版放送に向け取材に応じた脚本家の橋田壽賀子さん
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「渡る世間は鬼ばかり」スペシャル版放送に向け取材に応じた脚本家の橋田壽賀子さん

 2011年9月に大団円を迎えたTBSの人気ドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」のスペシャル版が2月に2週にわたって放送されることになり、脚本家の橋田壽賀子さんと石井ふく子プロデューサーが取材に応じた。藤岡琢也さんのあとを受け“二代目”岡倉大吉を演じた宇津井健さんが2014年3月に亡くなり、一度は「“鬼”はやめる」と決心したという橋田さんだが、「『おかくら』の当主がいなくなったらおしまいだと思っていたらそんなことはなかった。いっぱい家族は育っていると反省しましたし、書きたいことはまだまだある。なにより“鬼”は書きやすい。ただそれだけです」と“復活”の理由を明かした。

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 また橋田さんは「どこに行っても私の顔を見ると『“鬼”はどうなるの?』って聞いてくる。私、“鬼”だけを書いてきたわけじゃないんですけど……」とこぼしつつ、「5人の姉妹がドラマが始まった頃の大吉の世代に近づいてきて、これからまた新しい物語が書けるんじゃないかって思った頃に(スペシャル版の)話をいただいて、だったら書いてやろうって。今回は相続の問題を書かせていただきましたが、ほかの問題で書くとしても“鬼”で書くのが一番楽。社会は年中、流動していますから、書くなって言われるまで“鬼”を書こうと思っています」と続編にも意欲をみせた。

 また今回、宇津井さんの代わりに“三代目”岡倉大吉役を立てなかったことに関して、石井プロデューサーは「橋田先生とも話して、3人目を立てるのはやめようと。お父さんに対する子どもたちの気持ち、それをドラマにしようと思ったので、今回は大黒柱を立てないことにしました」とコメント。また橋田さんも「みんなが知ってくださっている人物で訴えるほうが、伝わると思いました」と語った。

 「渡る世間は鬼ばかり」は、橋田さんが脚本を手がけ、1990~2011年に21年にわたって10シリーズ放送された人気のホームドラマ。食事処「おかくら」を経営する岡倉大吉と5人の娘の物語で、連続ドラマ終了後も12年9月、13年5月に2週連続で2時間スペシャルを放送。単発スペシャルを含む全505回の平均視聴率は20.5%を記録している。

 2年ぶりとなる今回のスペシャルは、泉ピン子さん、長山藍子さん、中田喜子さん、野村真美さん、藤田朋子さんの5人姉妹らおなじみのキャストが出演。岡倉大吉が突然の病で急逝し、5人の娘たちの動揺や「おかくら」の今後、遺産相続が描かれる。2月16、23日の午後9時から放送される。

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