今週シネマ:22、23日公開の映画「イニシエーション・ラブ」「天才バカヴォン」…

映画「イニシエーション・ラブ」のワンシーン (C)2015 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会
1 / 1
映画「イニシエーション・ラブ」のワンシーン (C)2015 乾くるみ/「イニシエーション・ラブ」製作委員会

 今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。22日には、謎の“巨大迷路”に閉じ込められた人々が脱出を目指すサバイバル・アクション「メイズ・ランナー」(ウェス・ボール監督)が公開。23日には、俳優の松田翔太さんと女優の前田敦子さんが出演する「イニシエーション・ラブ」(堤幸彦監督)、故・赤塚不二夫さんの傑作ギャグマンガ「天才バカボン」の初の長編劇場版アニメ「天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~」(FROGMAN監督)などが公開される。

ウナギノボリ

 「イニシエーション・ラブ」は、最後の2行でラブストーリーが驚がくのミステリーに変貌(へんぼう)することで話題を呼んだ乾くるみさんの小説が原作。1980年代後半の静岡と東京を舞台に、奥手な大学生・鈴木(松田さん)と歯科助手・マユ(前田さん)の恋愛模様を描く前編(Side-A)と、遠距離恋愛を始めた2人の関係が崩壊していく後編(Side-B)の2編で構成され、最後の5分で物語が一変する展開には驚かされる。80年代カルチャーに造詣が深い堤監督だけに、さまざまな小道具やアイテム、楽曲を効果的に織り交ぜ、当時の雰囲気をリアルに再現。前田さんのカメラ目線を意識した演技も利いている。

 「天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~」は、赤塚さんの生誕80周年記念作。人気フラッシュアニメ「秘密結社 鷹の爪」シリーズで知られるFROGMAN監督が「天才バカボン」を独自解釈し、名作アニメ「フランダースの犬」との異色コラボを実現させた。有名な「フランダースの犬」のラストシーンで天国へと向かったはずのネロとパトラッシュは、実は人間に恨みを抱いたまま地獄へ落ちていたという設定のもと、暗黒組織「インテリペリ」の総帥ダンテ、地獄からよみがえったネロとパトラッシュ、バカボンとバカボンのパパが「パパの本名」をめぐってドタバタ劇を繰り広げる。

 「メイズ・ランナー」は、米国のベストセラー小説が原作で、先が読めないストーリーと度肝を抜くシチュエーションが話題を呼び、全米はじめ55カ国で初登場1位を記録。謎の巨大迷路と、そこに存在するコミュニティーという見知らぬ限定された場所に、記憶を失った若者たちが放り込まれ、謎解きとサバイバルに挑む姿がスリリングに描かれている。3部作の第1章のためか、謎解き要素はあっさりめながら、先の読めない展開と予想を上回るバックグランドに驚かされ、次作以降の展開が気になってしまう。ディラン・オブライエンさん、カヤ・スコデラリオさんら若手の注目株が熱演にも引き込まれる。

 そのほか23日には、しげの秀一さんの人気マンガが原作で、3部作の第2弾となる劇場版アニメ「新劇場版 頭文字(イニシャル)D Legend2-闘走-」、タレントの関根勤さんの初監督作品となる「騒音」、「ロゼッタ」(1999年)や「少年と自転車」(2011年)などで知られるジャン・ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の最新作「サンドラの週末」、「第9地区」(09年)のニール・ブロムカンプ監督が、AI(人工知能)を搭載したロボットの運命を描いたSF「チャッピー」、人気ロックバンド「X JAPAN」の元メンバーで、98年に亡くなったhideさんの初のドキュメンタリー「hide 50th anniversary FILM 『JUNK STORY』」が公開される。

映画 最新記事