平井理央:脱力系トレーニングでNYシティーマラソン完走 ランニングエッセー発売

ランニングの魅力を語った平井理央さん
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ランニングの魅力を語った平井理央さん

 元フジテレビのアナウンサーで、フリーアナウンサーの平井理央さんが、初めてのエッセー「楽しく、走る。」(新潮社)を5月に発売した。平井さんが昨年11月に完走した米国のニューヨークシティーマラソンについて、挑戦を決めてから大会当日に完走するまでの約1年にわたる道のりなどをつづったランニング本だ。「完走するよりも楽しむことが一番だった」と話す平井さんが目指す“脱力系ラン”や、走り始めたことで「すごく敏感になった」という体の変化について話を聞いた。

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◇ニューヨークシティーマラソンへの三つのルール

 平井さんがフルマラソンに初めて挑戦したのは、フジテレビ在籍時の2009年にキャスターを務めていたスポーツ番組「すぽると!」の企画で参加した東京マラソンで、昨年11月のニューヨークシティーマラソンは、2度目のフルマラソン挑戦だった。平井さんはニューヨークシティーマラソンへの挑戦の理由を「東京マラソンでコーチをしてくださった方が、当時、『世界で一番楽しいマラソン大会はニューヨークシティーマラソンだよ』と話してくれたことが5年間、ずっと気になり続けていたんです」と語る。

 09年の東京マラソンは、ストイックなトレーニングを積み、目標タイムで完走した。「達成感と充実感が大きかった」が、「あまりにも頑張りすぎて、今後続けていこうとは思えなかった」といい、その反省から、ニューヨークシティーマラソンは「無理をしない。ごほうびを作る。だれかと走る」という三つのルールを立て、「楽しむことを一番」に走ることを決めた。

◇パンケーキや一番風呂がご褒美

 ニューヨークシティーマラソンへの出場を決めたのは、開催の約1年前。「もともとニューヨークが好きだった」といい、大学時代の友人・ナオミさんを大会に誘い、2人でトレーニングを開始する。ナオミさんとは、大学の卒業旅行と29歳のクリスマスに一緒にニューヨークを訪れた間柄だ。

 トレーニングは「さぼってよし、途中でやめてよし」の“脱力系”。「本格的にトレーニングを始めたのも(開催日の)3、4カ月前です。エッセーを読んでいただいたら分かると思いますが、普通のランニング本ではありえないくらいのゆるさ」と笑いながら、準備期間を振り返り、「走り終えたら、カフェでおいしいパンケーキを食べよう。一番風呂に入ろう」など、ごほうびを楽しみに走る日々だったという。

 また、ナオミさんや夫と「話しながら」走るのが平井さん流。「一人で黙々と走るよりも、会話することで、息切れしないゆっくりとしたペースが保てます」という。「走っているときの脳波は、人がひらめいているときと同じ脳波だと、以前コーチにうかがったことがあります。だんなさんと走る前にケンカしていた時も、走りながら話すと解決する確率が高い」といい、「みなさん、会議も走りながらするのがおすすめです」と冗談交じりに話した。

◇走り始めて体脂肪率減 ランニングが習慣に

 走り始めたことで体形も変化した。「体脂肪率は3~4%くらい下がりました。私は“むくみ体質”なんですが、汗をかきやすくなって、新陳代謝もよくなりました」と話し、「自分の体にすごく敏感になった」という。

 また「前回(東京マラソン)は無我夢中でしたが、今回(ニューヨークシティーマラソン)は心に余裕が生まれて、走ることが自分の体を知る大きなバロメーターになりました」といい、「たとえば、自分は牛肉よりも豚肉を食べたほうが体が動きやすい、ワインを2杯飲んだ程度なら普段通り走れるなど自分の体質がよく分かった」と振り返った。

 現在もランニング生活を続けている平井さん。「週に2、3回、5~10キロ走っています。走ることは気持ちがいいですし、体も心もすっきりする」と話し、「もともと走るのが遅くて、小学生のころは50メートルを10~11秒台で走っていた私は走ることに対して苦手意識があったのですが、マラソンは自分のペースで走れるのも魅力。走りながらする会話や、走った後のご褒美、そして走る場所の町並み散策など……。ランニングにはプラスアルファのいろいろな楽しみ方があるので、みなさんにも気負わず短い距離から始めてほしいですね」と、とびきりの笑顔を見せた。

 次回は、いま夢中になっていること、夢などを聞く。

<プロフィル>

 ひらい・りお。1982年11月15日生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、2005年にフジテレビ入社。2年目から「すぽると!」のキャスターを務め、主にスポーツ報道に携わる。結婚を機に、12年9月末でフジテレビを退社。フリー転身後は、女優業にも挑戦するなど、幅広く活動している。

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