くるり:コンセプトライブ「NOW AND THEN」の思い語る

インタビューに応じるくるりの佐藤征史さん(左)と岸田繁さん
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インタビューに応じるくるりの佐藤征史さん(左)と岸田繁さん

 2016年に結成20周年を迎えるバンド「くるり」のコンセプトライブ「NOW AND THEN」のうち、4月28日の渋谷公会堂(東京都渋谷区)での公演の模様が6月28日にWOWOWで放送される。「NOW AND THEN」は、くるりの足跡を改めて見つめ直すアーカイブライブ・シリーズで、1枚目のアルバム「さよならストレンジャー」と2枚目のアルバム「図鑑」を収録順に演奏。岸田繁さんは「当時は若かったから、曲をガンガン作ってた。ファーストアルバムのツアーでは、セカンドアルバムに入る曲もガンガンやってたと思うんです。アルバム自体に的を絞ったライブもやってなかった。だから今回は曲が喜んでくれた。そんな感覚を受けましたね」と振り返っている。

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 ファンにとっては、めったに聴くことのできない曲を聴ける同ライブで、大きな手応えを得た岸田さんは「自分はここ10年ぐらいVOXっていうギターアンプを使ってるんです。その音が、世界一かっこいいと思ってる。でも久しぶりに当時よく使ってたフェンダー系のアンプを使ったら、あ!って思うんですよ。それは、曲の作り方、詞の書き方、メンバーが鳴らした音に対する自分の反応にしてもそうで。例えるなら、スリランカカレーしか作らへんようになってしもうた人が、久しぶりにおかんの家カレーを作ってみたら、新しい発見があったみたいな。そんな感覚ですかね(笑い)」と冗談交じりに語った。

 ◇ライブを前に試行錯誤も

 今回披露した曲は、メンバーのファンファンさん加入前の作品。ライブを迎えるにあたり、試行錯誤もあったという。岸田さんは「最初は、完全に解体して全く新しいものにしようって方向も考えたんです。彼女のパートも作らなきゃいけないし」と振り返る。

 そんな中、ファンファンさんの妊娠が明らかになり、岸田さんと佐藤征史さんは2人でライブに挑むことになる。岸田さんは「さあ、どうしようと思ったら、バンド編成が当時に近いって気づいたんです。試しに音を出してみたら、サポートメンバーも含めてみんな当時の音を選んでるんですよね。アンプも、彼(佐藤さん)が弾いてるタッチも、自分の歌にしても。それで、当時の雰囲気を……それは完全再現じゃなくて、雰囲気を咀嚼(そしゃく)して、その作品に当時の雰囲気がどう残ってるかをやろうっていう方向になりました。そのためには曲順通りに演奏したほうがいい。結果、それが良かったと思ってます」と話した。

 ◇コンセプトライブが持つ意味

 では、くるりにとって 「NOW AND THEN」はどんな意味を持つのか。 「再履修とか、追試とか、そういう感じじゃないですかね。長いことやってなくて、単位を取りこぼしてたので。そういうのを取りに行く、みたいな」と岸田さんは自己分析。佐藤さんは「始める前はファンサービス的なものになるのかなと思ったんですけど、やってみたら違うなと思ってます。まだ今は……すみません、わからないですけど。5枚目、6枚目ぐらいになったら、やる意味がわかると思います」と語った。

 インタビューも含めたコンセプトライブの模様は「くるり NOW AND THEN さよならストレンジャー/図鑑」と題し、28日午後5時からWOWOWライブで放送。

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