俳優の西島秀俊さんが、「スモーク」(1995年)でベルリン国際映画祭銀熊賞に輝いたウェイン・ワン監督が手がけ、タレントのビートたけしさんが主演する映画「女が眠る時」(2016年公開)に出演することが13日、わかった。題材に恵まれず苦悩する小説家を演じている西島さんは、クランクアップ直後の11日に東京都内で行われた映画の完成報告会見に出席。「偉大な映画作家の2人とご一緒できて、毎日が夢のような日々で、さっき終わってしまったんですけど、非常に今は落ち込んでいるところ」と心境を明かすと「(ワン)監督は、何本も素晴らしい作品を撮っていて、個人的に『スモーク』は今でも時々見返す作品。その監督からオファーをいただいて、2年前に香港でお会いして役について深く話もできたし、自然と始めることができた。プロセスすべてが幸せでした」と振り返った。
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「女が眠る時」は、スペイン人作家ハビア・マリアスさんによる短編小説「WHILE THE WOMEN ARE SLEEPING」が原作。ワン監督にとって初となる、オール日本人キャストによる邦画作品で、撮影は伊豆や東京で行われた。妻とバカンスを過ごすため美しい海辺にたたずむリゾートホテルへとやってきた小説家の清水健二(西島さん)は、滞在初日にプールサイドで目撃した異様な存在感を放つ年の離れた男女のことが脳裏から離れなくなり、その執着心はストーカー行為へと発展。“狂気”をのぞき見ることになる……というサスペンス。たけしさんは若くて美しい女性を連れた謎めいた初老の男性・佐原を演じ、女優の忽那汐里さんが佐原の年の離れた恋人・美樹役、小山田サユリさんが健二の妻・綾役で出演する。
西島さんは、役柄について「自分の才能を見失ってしまった作家で、その才能をもう一回、取り戻そうとする役。監督にどこか似ているというか、投影しているところもあるんじゃないのかなって思った。自分の体験も含めて見せて、撮影に臨みました」とコメント。「現場では監督が、たけしさんに『こういうシーンを撮りたいんだけど、どうなんだろう』って質問したりして。どんどんと(シーンが)膨らんでいくのを目の当たりにできたことは、今後の俳優人生の財産というか、本当に勉強になりました」と笑顔を見せた。
ワン監督は日本で映画を撮影することになった理由に、西島さんとたけしさんの存在を挙げ、「西島さんは本当に素晴らしい俳優。わざわざ香港にいる自分のところに訪ねてきてくれて、会って話をして、ぜひ一緒に仕事をしたいと思ったし、まずはそこが始まりでした」と告白。また「たけしさんはこの作品にとってもう一人の監督で、本当にいろいろな提案やアイデアを出してきてくれた」と明かし、「これはたけしさんに限らず言えることですが、キャストみなさん全員がしっかりとやるべきことを把握していて、撮影に入る前から、私以上に役柄を理解していたと思う」と語った。
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