新宿アニソンスコープ：「ラブライブ！」“V2”　「響け！ユーフォニアム」OST大健闘

　タワーレコード新宿店のアニメ担当バイヤー・樋口翔さんが、アニソンの売れ筋や販売現場の生の声をお伝えする「新宿アニソンスコープ」。洋楽の聖地として知られるタワレコの中で、アニソンが充実し、巨大なPOPの展示やインストアライブを開くなど業界注目の新宿店の6～12日の1位は、大ヒット中の劇場版アニメ「ラブライブ！ The School Idol Movie」の挿入歌で、劇中アイドルグループ「μ’s（ミューズ）」のシングル「SUNNY DAY SONG／？←HEARTBEAT」でした。

ウナギノボリ

「光る君へ」より昔！　最も古い時代の大河ドラマは？　1976年「風と雲と虹と」のあらすじ

　◇先週の結果

　「SUNNY DAY SONG／？←HEARTBEAT」は、μ’sの3週連続シングルリリースの第2弾で、第1弾「Angelic Angel／Hello，星を数えて」に続いての1位、予想通り“V2”を達成しています。「SUNNY DAY SONG」は、劇中でもフィナーレへと向かういい場面に使われていて、元気があって盛り上がれる、僕自身もリリースを心待ちにしていた曲。新宿店に限らずタワーレコード全店舗でセールスが好調で、CD全盛期をほうふつとさせる売り上げを見せています。「ラブライブ！」とμ’sの破竹の勢いを感じますね。

　今回「SUNNY DAY SONG／?←HEARTBEAT」に限らず、アイドルアニメ関連の作品がほぼ上位を独占したのですが、その中でも「ラブライブ！」とμ’sの存在というのは頭一つ抜けている。ただ3位に入ったi☆Risのシングル「ドリームパレード」は「プリパラ」の“2ndシーズン”のオープニングテーマとして人気を集めており、4～6位に入った「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3」のシリーズ3作品には、選曲にセンスを感じるJーPOPのカバーが収録されていて、それぞれ聴き比べてみるのも面白いと思います。　

　2位には高校の吹奏楽部を舞台にした人気テレビアニメ「響け！ユーフォニアム」のサントラ盤「おもいでミュージック」が入りました。店頭での品薄状態が続いていて、実際にはもっと売れていたはずの作品。僕もここまでの人気は予想できていませんでした。内容的には、楽器の試し吹きや、“指導前”の演奏レベルの低い曲もあえて収録し、トランペットソロの奏者が違う“まぼろしのバージョン”まで楽しめる、いわばサントラのディレクターズカット版ですね。アニメそのものと同じ熱量で愛せる作品で、個人的には、いまのところ今年のアニメサントラのNo．1。ロングセラーも大いに期待できます。

　逆に期待値の高かった細田守監督の新作劇場版アニメ「バケモノの子」のサントラ盤は8位と伸び悩んだのが、夏休み映画ということで、ここからの巻き返しも十分考えられますし、今後も注目です。

　◇今週の動向

　劇場版アニメ「ラブライブ！ The School Idol Movie」3週連続シングルリリースの第3弾となるμ’sの「僕たちはひとつの光／Future style」が間違いなく1位になって、有終の美を飾ってくれるはずです。そのほかでは、人気の音楽ゲームアプリのサントラ盤「『DEEMO』Song Collection」はアンビエントやチルアウトの要素が入っていて、音楽的に面白い。反応が楽しみです。

　◇タワーレコード新宿店アニソンコーナーランキング

1位　「SUNNY DAY SONG／？←HEARTBEAT」　μ’s　シングル

2位　「TVアニメ『響け！ユーフォニアム』オリジナルサウンドトラック　おもいでミュージック」　松田彬人　アルバム

3位　「ドリームパレード」　i☆Ris　シングル

4位　「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 07 如月千早（＋1）」　今井麻美　アルバム

5位　「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 09 萩原雪歩（＋1）」　浅倉杏美　アルバム

6位　「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 08 双海真美（＋1）」　下田麻美　アルバム

7位　「Angelic Angel／Hello，星を数えて」　μ’s　シングル

8位　「バケモノの子　オリジナル・サウンドトラック」　高木正勝　アルバム

9位　「戦姫絶唱シンフォギアGX キャラクターソング1」　日笠陽子／水樹奈々　シングル

10位　「D'AZUR」　藍井エイル　アルバム

※左から順に、タイトル、アーティスト

　◇プロフィル

　樋口翔　タワーレコード新宿店7階（邦楽・販売促進）アニメ担当バイヤー。2014年に町田店から異動。