アニメ質問状:「城下町のダンデライオン」 苦労したのは尺の短さ 盛り込みたいエピソードがたくさん…

アニメ「城下町のダンデライオン」のワンシーン(C)春日 歩・芳文社/城下町のダンデライオン製作委員会
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アニメ「城下町のダンデライオン」のワンシーン(C)春日 歩・芳文社/城下町のダンデライオン製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、特殊能力を持つ大家族のドタバタコメディーを描いたアニメ「城下町のダンデライオン」です。秋田谷典昭監督に作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

--作品の概要と魅力は?

 特殊能力を持つ王家の9人きょうだいが、次期王位継承権をかけて選挙を行いながら精神的に成長していく物語です。魅力は、やはり「きょうだいと大家族」ですね。個人的にきょうだい同士・家族同士の温かい話が好きなので、やりがいを感じました。個性豊かなキャラクターたちがストーリーの展開の中でどうなっていくのか見ていただけたらと思います。

--アニメにするときに心がけたことは?

 きょうだいみんなをいかに活躍させるかですね。シナリオの段階からシナリオの吉田玲子さんと相談しつつ、出番をなるべく増やせるように話をしていきました。各キャラの能力や性格を説明や表現しながら、物語のおもしろさを見せたかったので、ストーリーを中断しないように方向性を考えるのがとても難しかったですね。また、きょうだい達の友達やクラスメートなどキャラクターがとても多く、それをどう生かすかも心がけた一つです。

--アニメ制作スタッフの間では、9人の後継者で誰が一番人気がありますか?

 正直迷いますね。みんなそれぞれに良い所があって、誰がなってもきっといい国になる気がしてます。基本みんな良い子たちなので、助け合ったり、意識しあったり、仲の良いきょうだいたちがそれぞれ思い思いに行動していく。特に一般人と同じ生活感や価値観を持ちながらも、自分たちは王族であるという意識を持っていることがすごいなと思っています。

--作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 うれしかったことはノリのいいスタッフに恵まれたことですね。櫻田家のような温かいスタッフが多く、とても心地いい環境で仕事ができたことがうれしかったです。

 大変だったことは、尺が短かったことです。盛り込みたいエピソードはたくさんあったんですが、尺を考えるとどうしても絞り込まなければいけなかったので、どのエピソードをどれだけ盛り込めるか、どのくらい見せられるかを考えるのがとても大変でした。

--今後の見どころを教えてください。

 具体的に選挙に向かっていくことになりますので、その過程を楽しんでいただけたらと思います。話の終盤に向かって起こるエピソードそれぞれにきょうだいたちや周囲の人々の思いが、価値観が、変化していきます。選挙という話の大きな最後のサプライズに向けて皆さんをうまく誘導していけたらと思います。

--ファンへ一言お願いします。

 原作には原作の、アニメにはアニメの良さや違いがあります。原作からのファンの方もアニメから入っていただいた方も、その良さや違いをくみ取ってもらえたらいいなあと思っております。「ダンデライオン」という作品がみなさんの心を温かくしていけたらと思います。

監督  秋田谷典昭

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