今年流行した言葉を決める「2015 ユーキャン新語・流行語大賞」の候補語語が週明けにも公式サイトで発表される。昨年は、お笑いコンビ「日本エレキテル連合」の持ちネタフレーズ「ダメよ~ダメダメ」と「集団的自衛権」の2語が年間大賞に選ばれた。今年は、お笑い芸人のフレーズも豊作で、どれがノミネートされるのか期待が高まっている。今年注目を集めたフレーズを、芸人関連を中心に当事者のコメントを交えてまとめた。
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同賞は1984年にスタートし、毎年12月上旬に発表している。「現代用語の基礎知識」(自由国民社)の読者審査員のアンケートで候補語を選出し、選考委員会がトップテンと年間大賞を選出する。発表は毎年12月1日を予定。昨年は、ディズニーの劇場版アニメーション「アナと雪の女王」の主題歌のフレーズ「レリゴー」、ゲームやアニメで人気の「妖怪ウォッチ」など50語がノミネートされた。毎年注目が集まるのはNHK連続テレビ小説のせりふで、昨年は「花子とアン」の「こぴっと」と「ごきげんよう」、ドラマではせりふ以外でも、フジテレビ系の不倫ドラマのタイトル「昼顔」、映画やドラマ内で話題となった「壁ドン」なども選ばれている。
昨年はお笑い関係のワードのノミネートは、年間大賞に選ばれた「ダメよ~ダメダメ」のみだったが、今年は豊作だ。昨年末からテレビやインターネットを中心に爆発的に人気を集めたのが、「8.6秒バズーカー(ハチロク)」のリズムネタ「ラッスンゴレライ」、「バンビーノ」のダンスネタ「ダンスィングフィッソン族(ダンソン)」で、どちらも視聴者や芸能人らが動画サイトで“完コピ”動画を続々と公開、それを見た視聴者がさらにまねをするなどして、急速に拡散した。2月には、「クマムシ」の歌ネタ「あったかいんだからぁ♪」が、多くの芸能人がカバーして人気急上昇し、CDデビューを果たした。
今年後半には、とにかく明るい安村さんが2月に「R-1ぐらんぷり2015」(関西テレビ・フジテレビ系)の決勝戦で披露したネタがテレビや各種芸能イベントなどで知名度を上げ、ネタの中で全裸のようなポーズを決めたあとに言うフレーズ「安心してください。履いていますよ」が話題となった。さらに、記憶に新しい10月の「キングオブコント2015」(TBS系)で8代目キングとなった「コロコロチキチキペッパーズ(コロチキ)」も、ナダルさんが口にする「やっべえぞ!」というフレーズが急速に人気を集めている。
ハチロクは、初の冠ネットラジオ番組「8.6秒バズーカーのラッスンゴレラジオ!」(渋谷クロスFM)の初回放送の際(10月14日)、流行語大賞に「ノミネートされたい」と願望を見せた。はまやねんさんは「2015、スペース、流行語で調べました」と興味津々。田中シングルさんは「謎の呪文の『ラッスンゴレライ』より、俺の『ちょっと待ってお兄さん』の方が使われてると思う……」とぼやきながらも、「どっちかで流行語大賞目指します!」と宣言している。
クマムシは、月刊情報誌「日経トレンディ」(日経BP社)が選ぶ「2015年のヒット人」に選出された際(11月3日)、長谷川俊輔さんが「今年しかチャンスがないので、取れるならぜひ取りたい」と熱くコメント。その後の取材では、「あったかいんだからぁ♪」と歌っていない相方の佐藤大樹さんが、自身が叫ぶフレーズ「パーリーピーポー!」でも同賞を狙っているといい、「史上初のコンビでダブル受賞したいですね」と野望を語っている。
ここにきて急速に注目されているコロチキも、後半からと不利なスタートだが「今年に懸けてますよ!」(ナダルさん)と、同賞への思いは強い。10月31日に「水都大阪ナニワハロウィンパーティー」に出演した際の取材では、テレビやイベントの出演時に、できる限り「やっべえぞ!」をいうようにしているといい、「狙っていますから! 流行語ぜってえ取りてえんだ!」(ナダルさん)と宣言。ライバルは、とにかく明るい安村さんだと明かした。
一方、コロチキにライバル視されている安村さんも、同賞には「いやー、なんとか狙っている。取りたいですね!」と期待している。11月1日のガールズイベント「日本女子博覧会-JAPAN GIRLS EXPO 2015秋-」の出演時の取材で流行語のライバルについて「今年は結構たくさんいますから、なかなか大変だと思いますが……」と考えつつ、「ラグビー日本代表の五郎丸(歩)選手じゃないですかね!」と芸人以外の名前を挙げて、同賞の行方を予想した。
ネタ以外でもお笑いコンビ「ピース」又吉直樹さんの小説で芥川賞受賞作タイトルの「火花」、俳優の福山雅治さんと女優の吹石一恵さんの結婚発表と同日に結婚を発表した「千原兄弟」の千原ジュニアさんの「かぶり婚」、それに続いた芸能人の「かぶせ婚」、「爆笑問題」の太田光さんが相方の田中裕二さんの結婚に命名した「ぽんぽこ婚」など豊富で、お笑い芸人関連のワードは、どれがノミネートされてもおかしくない状況だ。
今年の候補語50語の発表、そして流行語大賞の年間大賞、トップ10に芸人関連のワードがどのくらい食い込んでくるのか、今後の発表に注目だ。