バリバラ:障害者2人が主演のドラマ第2弾「禁断の実は満月に輝く」放送

 障害者情報バラエティー番組「バリバラ」(NHK Eテレ、毎週日曜午後7時)から生まれた特集ドラマ「禁断の実は満月に輝く」が6日午後4時から、放送される。第2弾となる今回は、障害者の親子関係をテーマに、障害を持つ2人の主人公が「障害が治る実」を探しに行くロードムービーとなっている。
 
 「バリバラ」は、障害者自らが出演し、恋愛や仕事、スポーツ、アートなどさまざまジャンルの話題を取り上げる番組。昨年12月に、統合失調症のお笑い芸人のハウス加賀さんと、ダウン症のタレントあべけん太さんの2人が、障害者役を演じ、生きづらさを抱える人々の姿を描いたドラマ「悪夢」が初めて放送され、大きな反響を呼んだ。「禁断の実は満月に輝く」はその続編となる。

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 「ダウン症のイケメン」を自負する主人公・光司(あべさん)はある日、自分の障害が原因で大好きな兄の結婚が中止になったと知り、ショックを受ける。そこで障害を治そうと、統合失調症の真(ハウスさん)と食べると障害が治る代わりに記憶を失うという「禁断の実」を求めて旅に出る。その実がなるという村にたどり着いた二人は、実が熟するまでの3日間を過ごす宿泊先の民宿で四肢欠損の娘・真由子(佐野有美さん)を見つける。真由子は、父である民宿の主人・那須(神戸浩さん)が、障害を隠すために外出を禁じられていた。真由子に一目ぼれした光司は外へと誘い出す。一方、親から「こんなこともできないのか」と言われ続けてきたことがトラウマとなっていた真は、那須の母で、認知症の駒子の手伝いをして感謝されたことから、自信をつけていく。そして「禁断の実」が熟すという3日目の夜がやってくる……というストーリー。

 演出を担当するNHK大阪放送局の河合理香チーフディレクターは、障害者の母に取材し、「母親は、ずっと子供に罪悪感を感じて、自分の残りの人生のすべてを捧げないといけないという葛藤があった。でも、子供がどんどん大きくなって、巣立ちを超えるころ、娘が、自分の力で、自分の夢をつかむ姿を見せつけられたときに、娘から初めて『私は障害があっても幸せ』と言われた気がして、そこで初めて呪縛から解かれたといっていた。それが今回の障害者の親子関係を描く重要な要素となりました」と話していた。

 ドラマは6日午後4時から、午後7時の通常放送では出演者たちがドラマのアフタートークを行う。また、13、20日の両日は、ドラマに、障害者家族への取材の模様などを交え、前後編に再構成して放送する。

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