テレビ試写室:「赤めだか」 談志の強烈キャラ&軽妙な掛け合いに大笑い

ドラマ「赤めだか」のワンシーン (C)TBS
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ドラマ「赤めだか」のワンシーン (C)TBS

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は人気グループ「嵐」の二宮和也さんとお笑いタレントのビートたけしさんが初共演し、28日午後9時にTBS系で放送されるスペシャルドラマ「赤めだか」だ。

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 ドラマは、落語家の立川談春さんの同名エッセーが原作。若き日の談春(二宮さん)が、両親の反対を押し切って立川談志(たけしさん)に弟子入りし、成長していく姿を描き、談志の破天荒な生き方や人物像にも迫っていく。

 物語はエプロン姿の談志が弟子入りを迫る談春の前で闇鍋のごとき“ごった煮カレー”をこしらえているシーンから始まる。さまざまな物が入れられた奇怪なカレーを客に振る舞う、エプロン姿のたけしさん……なかなかシュールな絵面だが、この描写だけで作中の“談志師匠”の人物像が鮮明に浮かび上がってくる。

 劇中に登場する一門の面々も、立川関西(宮川大輔さん)、立川談々(北村有起哉さん)、立川志の輔(香川照之さん)、立川ダンボール(新井浩文さん)と、いずれも個性的で、落語家の卵の集団だけに、その軽妙な掛け合いや洒脱な言い回しには思わず声を出して笑ってしまった。

 師匠のハチャメチャな言動に振り回されながら、二ツ目(前座と真打ちの間)を目指して修業に励む談春と兄弟子たち。本来はつらく厳しいはずの修業だが、落語さながらにギャグをふんだんに織り交ぜながらどこまでもテンポよく、リズミカルに進んでいくため、悲壮感をほとんど感じることなく楽しめる。

 作中では談春を演じる二宮さんの、眉間にシワを寄せた「えっ?」というけげんな表情が頻繁に登場するが、それがいかにも理不尽な師匠に振り回される弟子、という雰囲気が出ていて個人的には“ツボ”だった。

 随所に差し込まれる「ザ・ローリング・ストーンズ」の名曲の数々も、どことなくロックな談志師匠のイメージに合っていていい案配。「落語はリズムとメロディー」「落語は人間の業の肯定」など、印象深い名言もしばしば登場するので、その辺りも見どころの一つだろう。

 ドラマには濱田岳さん、柄本時生さん、清野菜名さん、歌舞伎俳優の中村勘九郎さん、歌手のさだまさしさん、落語家の三遊亭円楽さんらも出演。ナレーションは薬師丸ひろ子さん、ナビゲーターは笑福亭鶴瓶さんが務める。28日午後9時から放送予定。

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