NHK連続テレビ小説:16年後期は「べっぴんさん」 ヒロインのモデルはファミリア創業者

 10月に放送開始予定の2016年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)が、渡辺千穂さんが脚本の「べっぴんさん」に決定したことが13日、明らかになった。ヒロインのモデルは、子供服を中心としたアパレルメーカー「ファミリア」の創業者の坂野惇子さんで、戦後の焼け跡の中、娘や女性のために、子供服作りにまい進するヒロインと家族の姿が描かれる。

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 ヒロイン・すみれは、昭和のはじめ、神戸の山の手で生まれた刺しゅうや手芸が大好きな女の子。会社を経営していた父、活発な姉と何不自由なく育ち、18歳でお見合い結婚し、娘を授かるが、戦争ですべてが変わる。戦争が終わり、財産は没収される中、すみれは生きていくために子供服作りを始める。仲間たちとともに“こだわりのモノづくり”を貫き、やがて宮内庁御用達と認められるまでになり、日本初の総合子供用品店をオープンさせることになる。

 「べっぴん」という言葉は“美しい女性”を表す意味で用いられているが、江戸時代には“別品”と記し、“特別によい品物”を表す言葉だったといい、ヒロインが作り上げる子供服が“別品”で、ヒロインの美しい姿が“べっぴん”ということもあり、ドラマは「べっぴんさん」というタイトルが付けられたという。

 脚本を手がける渡辺さんは、02年に「天体観測」で脚本家デビュー。「名前をなくした女神」「サキ」「ファースト・クラス」などを手がけ、フリーアナウンサーの羽鳥慎一さんの妻としても知られている。

 渡辺さんは「私は今、脚本家としてこのタイミングでこの企画と出合えたことを、運命のように感じています。なぜなら、今まさに、初めて母親になろうとしているからです。そろそろ臨月を迎えるため、出産のための準備を始めていますが、昔の資料に出て来る母親と赤ちゃんのためを考えて作られたベビー服が、現在、ちまたにあふれているものと大きな違いがないことを知り、驚かされています。たくさんのお母さんたちの悩みや知恵が、これらを生んだのだろうと考えると、なんだか感慨深い思いになります」とコメントを寄せている。

 ドラマを手がける同局の制作統括の三鬼一希さんは「今回のドラマのヒロインは、おかあさんです。戦後の焼け跡の中、幼い娘を抱えながら、日々を生き抜くためにと始めた子供服作りが、やがて周りの人々を巻き込み、やがて日本中にその子供服が広まっていく……。そのエピソードだけを聞くと、がむしゃらな女性を想像してしまいますが、今回のヒロインはそうではありません。おっとりとした“ありのまま”の女性です」と話している。

 「べっぴんさん」は10月3日~17年4月1日に放送。全151回を予定。

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