注目映画紹介:「9つの窓」 AKB48グループのメンバー主演9作のショートフィルム

「9つの窓」のワンシーン (C)2015 「AKB GROUP ShortShorts」製作委員会 All rights reserved.
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「9つの窓」のワンシーン (C)2015 「AKB GROUP ShortShorts」製作委員会 All rights reserved.

 国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」とAKB48グループがコラボしたオムニバス映画「9つの窓」が6日に公開される。映画は1作品につきグループメンバー1人が出演。コメディーからハートフル、ブラックユーモア、サスぺンスといった多彩なジャンルの物語が展開する。

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 9作品は、AKB48グループの総監督を務める横山由依さん主演の「漁船の光」(廣瀬陽監督)、宮澤佐江さん(SHN48、SKE48)主演の「回想電車」(比呂啓監督)、北原里英さん(NGT48)主演の「お電話ありがとうございます」(名倉愛監督)、中西智代梨さん(AKB48)主演の「さおり」(廣瀬陽監督)、茂木忍さん(AKB48)主演の「赤い糸」(曽根剛監督)、入山杏奈さん(AKB48)主演の「先客あり」(小川和也監督)、木崎ゆりあさん(AKB48)主演の「candy」(名倉愛監督)、兒玉遥さん(HKT48、AKB48)主演の「Dark Lake」(中村公彦監督)、江籠裕奈さん(SKE48)主演の「レミューテック」(中村公彦監督)という各10分のショートフィルムで構成。

 会社員の恵比寿ハルミ(宮澤さん)が幼なじみと過去にタイムスリップする“回想”電車に迷い込む「回想電車」、お客様対応係の船橋美里(北原さん)が“未来からの電話だ”という男からの電話を受ける「お電話ありがとうございます」、破局した恋人の浩一(中村龍介さん)を新しい女から取り返しに行った早織(中西さん)が堕落した浩一の姿を目撃し……という「さおり」、“運命の赤い糸”が見えるようになった高校生・藤田あずさ(茂木さん)が自分の小指にある赤い糸をたどる「赤い糸」。

 また、小さな漁村で暮らす瀬野詩織(横山さん)は学生時代に恋していた吉村圭一(大野拓朗さん)と再会し大きな人生の岐路に立つことになる「漁船の光」、不倫関係にある大学教授の田村望(松山優太さん)と教え子の北岡奈々(入山さん)は田村の妻を殺害してしまい死体処分のために貯水湖へ向かうが思いもよらぬ先客(波岡一喜さん)がいて……という「先客あり」、友人の恋人・深田野乃子(木崎さん)にひそかに恋心を抱く奥村準太(大沼遼平さん)がほれ薬のキャンディーを手に入れ……という「candy」、演劇部所属の女子高生・水元真琴(兒玉さん)が夏合宿で訪れた山奥の湖畔に恐ろしい魔物の伝説があって……という「Dark Lake」、都会から田舎の島の高校に転校してきた渡辺日和(江籠さん)が同級生から流行のアイテム“レミューテック”について聞かれ“持っている”とうそをついたことから争奪戦が始まる「レミューテック」という、以上の九つのエピソードで構成。

 1本あたり10分のショートフィルムで構成されたオムニバス形式の映画だが、短編ということで侮ることなかれ。AKB48グループの各メンバーが好演し、また監督たちの手腕で、異なる作風の作品も一挙に楽しめてしまう。木崎さん演じる野乃子がとてもキュートで、アイドルらしい演技でありながらも決してアイドル映画ではない絶妙なバランスに仕上がっている「candy」や、ネタバレになりそうなので詳しくは書けないが、結末にかなりの仕掛けが施されている「先客あり」は、見終わってからそのタイトルに思わず納得してしまう展開が興味深い。欲をいえばもう少し波岡さんが活躍すると作品が締まったかもしれない。コミカルだったりサスペンスフルだったり、ハートフルなものなどバリエーション豊富な9作品から推しの1本を見つけるのも一つの楽しみ方だ。6日からシネマート新宿(東京都新宿区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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