ザ・リーダー:高炉休止を決断 神戸製鋼・川崎博也社長の思い MBS

製鉄所を眺める神戸製鋼所の川崎博也社長(右)とMBS高井美紀アナ
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製鉄所を眺める神戸製鋼所の川崎博也社長(右)とMBS高井美紀アナ

 関西経済を引っ張る経営者にMBSの高井美紀アナウンサーがインタビューし、その人間像を描きだすドキュメンタリー番組「ザ・リーダー」(MBS、関西ローカル)が14日午前5時から、放送される。1995年の阪神大震災で大きな被害を受けながら、驚異的なスピードで復旧し、神戸復興のシンボルと呼ばれた高炉を休止する決断を下し、電力事業という新たな方向性を見いだした川崎博也社長の人生に迫る。

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 番組は、松下幸之助、日向方斎、佐治敬三ら偉大な経営者が牽引していた関西経済界で、いまは”顔”になる人物がいなくなった、といわれる中、誰もが知っている大企業の社長、ちょっとユニークな中小企業のオヤジたち、次々とヒット商品を生み出す企業の経営者ら関西経済を引っ張るリーダーを、MBS高井美紀アナが訪ね、人身掌握術、健康法、趣味、愛読書などさまざま話を聞き、“関西経済の潜在力”を探るというもの。

 川崎社長は、1980年に入社し、その後27年を製鉄所などの現場を歩んだ技術者で、2013年に社長に就任した。神戸製鉄所を訪れた高井アナに、神戸市の夏場のピークの7割の電力をカバーする火力発電所を紹介。2002年に課長として発電所建設の陣頭指揮に立った当時を振り返った。高速道路に隣接し、震災でダメージを受けていた約100メートルの煙突を解体するなど、数々の困難を乗り越えた。川崎社長は「社運のかかったプロジェクトということで、失敗は許されない、もちろん事故も許されない中でのプレッシャーですよね。当時の製鉄所長から24時間考え続けろといわれました」と語った。

 さらに当時同僚と共に通ったというそば店を訪れた川崎社長は、入社3年目に機械の交換に失敗して退職願を出したというエピソードに披露。「お前の退職願なんてもろてもなんの役にも立たないと、一蹴されました」と苦笑した。さらに震災で多くの社員が被災しながら、工場に寝泊まりして高炉の復旧に取り組んだことを振り返った。そして社長に就任した2013年、復興の象徴と呼ばれた高炉を休止する決断を下す。「重い決断でした。製鉄業、高炉業に携わるものが高炉を解体するというのはある意味、死亡宣告されたようなものですから」と振り返った。

 また、リタイア後は25年以上続けているバラ栽培に没頭するため、バラ園に再就職したいという意外な夢を明かした川崎社長は、リーダーについて、「従業員とその家族の幸せを維持し続ける、その幸せの度合いを増やしていくのがトップの最大の責任だと思う」と語った。

 放送は14日午前5時〜5時半。次回は3月13日の予定。

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