女優の寺島しのぶさんが出演する映画「シェル・コレクター」(坪田義史監督)が、27日公開する。1992年文学座に入団し、96年の退団以降、さまざまな舞台、テレビ、映画に出演。2010年公開の映画「キャタピラー」では、日本人としては35年ぶりに第60回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀主演女優賞)を受賞し、国内外から注目を集める名女優として活躍している。私生活ではフランス人の夫と3歳の息子を持つ寺島さんに、家族と過ごすオフタイムについて話を聞いた。
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寺島さんは、2007年にフランス人のアートディレクターのローラン・グナシアさんと結婚し、2012年9月に第1子となる男児を出産。オフタイムは「家族の時間」と語り、「主人は、土日は仕事をしないというスタンスなんですが、私も極力、休めるように。休日は、家族3人で美術館に行ったり、劇場に行ったり、アートと触れ合うことが多いですね」とプライベートを語る。
とはいえ、息子は、まだ3歳のやんちゃざかり。「小さいので、飽きてしまうのでは?」と尋ねると、「いえ、大好きなんです。騒いだりもしないんですよ。劇場でも周囲の空気を察して、コソコソ声で話しますし、この間は歌舞伎を4時間ぶっ通しで見ていましたからね」とアート好きな両親の血を受け継いでいるようだ。
「私は小さい頃に美術館などに連れて行ってもらった記憶はあまりないんですが、(夫の出身国の)フランスでは、街角にいっぱい小さい美術館もあるし、それを子供に見せて『あなたどう感じるの?』ってディスカッションをしたりしているんですよ。そういう感性って、私ももっと若いときに養いたかったですし、うらやましいと思います。生まれたときから、日仏英の3カ国語を耳にしていますし」と語る。
そんな寺島さんが、子育てで大切にしているのは「やはり、いろんな刺激を与えること」だという。「刺激を与えれば与えるほど、ものすごく吸収するんですよね。そして、吸収したことを自分なりに消化して、これとこれをつなげて……みたいに発想を膨らませたり。いろいろ見せたり、いろんな人に会わせたりするのは大事だと思いますね。大人になったときに、吸収したことがいっぱいになって、好きなことを選択していければいいなあ、と」と続ける。
そして最近、夫の母が来日した際のエピソードに触れ、「ママン(祖母)の前だと、フランス語のイントネーションで日本語を話したりするんです。相手に分かりやすく伝えようとしているのかなって。順応しようとする力というか、3歳児にして面白いなって思います」と目を細め、「だからこそ、子供の順応性のあるうちに、いろんなことを吸収してほしいなって思っていますし。子供を通して、親も育ててもらっているという感覚です」と母の顔で話していた。
<プロフィル>
てらじま・しのぶ。1972年12月28日生まれ、京都府京都市出身。92年文学座に入団し、96年の退団以降は、舞台、テレビ、映画など多方面で活躍。2003年、映画「赤目四十八瀧心中未遂」と「ヴァイブレータ」で第27回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ国内外の映画賞を多数受賞。10年公開の映画「キャタピラー」では、日本人としては35年ぶりに第60回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀主演女優賞)受賞という快挙を成し遂げた。そのほか、映画では「単騎、千里を走る。」(06年)、「愛の流刑地」(07年)、「千年の愉楽」(13年)、「R100」(13年)、「蜩ノ記」(14年)、「サベージ・ナイト」(15年)など話題作に出演している。NHK連続テレビ小説「あさが来た」、dTVドラマ「裏切りの街」に出演中。4月6日から上演される舞台「アルカディア」への出演も決定している。
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