シンガー・ソングライターの小田和正さんが、俳優の佐藤浩市さん主演映画「64-ロクヨン-」(瀬々敬久監督)で約5年ぶりに映画の主題歌を担当することが28日、明らかになった。小田さんが所属していたグループ「オフコース」は、映画の舞台となった昭和64(1989)年2月に解散しており、当時について「公なことと個人的なことと二つが重なって、複雑な思いでした」と語った。
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映画は横山秀夫さんの小説が原作。昭和64年1月に起きた“ロクヨン”と呼ばれる事件の時効が近づく中、平成14(2002)年にロクヨンを模倣した事件が発生する……というストーリー。昭和64年といえば、1月に昭和天皇が崩御し、2月にオフコースが解散した年。小田さんは「(天皇陛下の)ご崩御が今日か明日かという中、オフコース最後の全国ツアーをやっていて、僕らは大阪にいました」と振り返り、2月に20年間の活動に終止符を打ったオフコースについても「解散していくということも自分たちにとっては大きな事件だった」と話している。
小田さんが映画の主題歌を担当するのは、11年7月公開の「ロック~わんこの島~」以来、約5年ぶり。自身にとって特別な年を扱った作品の主題歌のオファーを受け、「横山さんの本はとても好きなので、話をいただいてビックリしましたが、うれしかったです」と話し、「監督は自分にどんな曲を期待してくれているのかなと考えましたが、あえて質問はしませんでした」と制作過程を明かした。
また、主題歌について「重いテーマだったので同じような色合いで前向きな感じがいいかなあとスタートして、とにかく『君を思う気持ちだけが強くなっていく』というところへ行き着きました。で、その流れで願いも込めて(タイトル)『風は止んだ』になりました」と話し、「多くのスタッフと役者さんたちが懸命に作ったのに、最後で、歌が足を引っ張ったりしなければいいけれど、とそれを願うばかりです。なんとか少しでも貢献できたらうれしいです」と話し、「今回は大事な主題歌を書く機会を与えていただいて感謝しています」と締めくくった。
映画は佐藤さんが主演し、綾野剛さん、榮倉奈々さん、仲村トオルさん、椎名桔平さん、瑛太さん、窪田正孝さんらが出演している。前後編で、前編が5月7日、後編が6月1日に公開される。
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