肺炎による多臓器不全のため12日に死去した舞台演出家の蜷川幸雄さん(享年80)の告別式が16日、東京・青山葬儀所で営まれ、藤原竜也さんや小栗旬さん、市村正親さん、渡辺謙さん、「嵐」の二宮和也さん、松本潤さんら生前親交のあった関係者や一般の弔問客を含む1300人以上が参列。蜷川さんは“愛弟子”の藤原さんや小栗さんらに棺を抱えられ、参列者からの惜しみない拍手の中で旅立った。
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葬儀では藤原さん、小栗さん、平幹二朗さん、大竹しのぶさん、吉田鋼太郎さんの5人が弔辞を読み上げ、蜷川さんの舞台で俳優デビューした藤原さんは涙で言葉を詰まらせながら、「もっと一緒にいたかったし、仕事がしたかった。19年間、苦しくも、まあほぼ憎しみでしかないんですけど、本当に最高の演劇人生をありがとうございました」と感謝。今年10月に「ハムレット」に出演する予定だった小栗さんは「僕が会いに行くまでに新しいハムレットの演出を考えておいてください。そのときにダメになったなと言われないようにこちらで頑張ります。時々でも夢でもいいのでしかりに来てください」と呼びかけた。
平さんは「あなたと四つに組んだ17本の芝居。私の宝です。充実した演劇人生を生きることができました、本当にありがとう」と感謝した。吉田さんは「僕がこんなに超売れっ子俳優になったのは蜷川さんのお陰です」「もう少ししたら行きます。シェークスピア君も混ぜてやって、一緒に芝居作りましょう。もう少し待っててください」、大竹さんも「あなたの魂の叫びは世界中の劇場に、それを見た観客の心の中に、そして私たちの中に永遠に残っていきます。それを胸に私たちは芝居を続けるしかない。蜷川さんがいつふらっと現れてもいいように、一生懸命演劇を続けていくしかない。だから、蜷川さん、けいこ場でお待ちしています」と語りかけた。
また、長女で写真家の蜷川実花さんもあいさつに立ち、「生前、口癖のように、やりたいことしかやっていないので、いつ死んでも後悔はないと話していました。どの時期をどの角度から切っても幸せな人生だったと思う」と語りながらも、「父の書斎に行くと、これからやる予定だった台本がいくつもあって、まだまだいっぱい見たかったなと、まだまだやりたかっただろうなと無念でなりません」と涙をすすりながら話し、「もう新作を見ることはできませんが、これからは残された私たちが、父のマグマのような熱を引き継いで、ひたすら前を向いて走っていこうと思っています」と決意を語った。
蜷川さんは1935年10月15日生まれ、埼玉県川口市出身。55年に「劇団青俳」に入団し、68年に劇団現代人劇場を創立。69年に「真情あふるる軽薄さ」で演出家デビューを飾った。72年、演劇集団「櫻社」結成。74年、同劇団を解散後、「ロミオとジュリエット」で大劇場へ進出し、以降、国内外の現代劇から近松門左衛門、シェークスピア、ギリシャ悲劇など幅広い作品を次々と世に送り出した。また、83年の「王女メディア」ギリシャ・ローマ公演を皮切りに毎年海外公演を行い、その活動は海外でも注目され高い評価を得てきた。88年、「近松心中物語」の第38回芸術選奨文部大臣賞をはじめ受賞歴多数。映画「蛇にピアス」(2008年)やテレビドラマの監督も務めた。
◇主な参列者(順不同、敬称略)
とよた真帆▽鈴木杏▽蒼井優▽毬谷友子▽松本潤▽二宮和也▽高橋惠子▽月川悠貴▽比企理恵▽香川照之▽長谷川博己▽高畑充希▽松坂桃李▽大野拓朗▽中尾彬▽浅丘ルリ子▽山本裕典▽宮本亜門▽笠井信輔(フジテレビアナウンサー)▽瑳川哲朗▽上田清司(埼玉県知事)▽市川猿之助▽佐藤隆太▽森進一▽森喜朗(元首相)▽尾関陸▽菊田大輔▽藤木直人▽大林素子▽大竹しのぶ▽岡本健一▽平幹二朗▽生田斗真▽橋本さとし▽市村正親▽篠原涼子▽鶴田真由▽尾上松也▽山本寛斎▽渡辺謙▽小栗旬▽田山涼成▽マルシア▽横田栄司▽藤原竜也▽桂由美▽斎藤洋介▽原田美枝子▽上川隆也▽満島真之介▽古畑新之▽多部未華子▽吉田鋼太郎▽石橋蓮司▽柿澤勇人▽北村一輝▽夏木マリ▽矢野聖人▽井浦新▽斎藤工▽銀粉蝶
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