今年の春アニメが出そろってから約1カ月がたった。「MANTANWEB」のアニメ担当記者が、「ばくおん！！」「逆転裁判～その『真実』、異議あり！～」「キズナイーバー」「Re：ゼロから始める異世界生活」を独断と偏見で語る。前後編を紹介済みだが、好評につき“アンコール編”として取り上げる。

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　◇ばくおん！！

　おりもとみまなさんが「ヤングチャンピオン烈」（秋田書店）で連載中の人気マンガが原作。“女子高生×バイク”という、本来水と油のような存在同士が交じり合う設定にギャップ萌えし、キャラが立ちまくっている可愛い部員たちにニヤニヤ。タイトルから「けいおん！」のようなゆるふわな部活動を想像していたが、意外に（？）真剣にバイク部として活動していて認識を改めた。教習所のバイクの引き起こしネタなど、経験者なら「あー分かる、分かる」と納得してしまう細かいネタがちりばめられているのも面白い。見ていると、なんだかだんだんバイクに乗りたくなってきて、（カタナではなく）中古のセローでも買おうかな……とムズムズ。極めて私事だが、某キャラと誕生日が一緒なことに気づいて好感度がアップしている。（鰭）

　◇逆転裁判～その「真実」、異議あり！～

　「異議あり！」の名ぜりふで知られる人気法廷ゲームのアニメ化だ。映画化、舞台化もされたが、キャラクターが極めて個性的なので、やはりアニメが一番しっくりくる。放送当初は原作との違いを挙げる声が多かったが、台本を見せていただく機会があり、原作の生みの親である巧舟さんが、細かいところまでアニメにも関わっていることを知って驚いた。人気作の映像化というと、とかく「原作へのリスペクトがない。だから映像化には反対だ」などの論調が目立つが、原作者が細部まで心を砕いたこの作品については的を得ていないのではないか。個人的には、早口キャラの「オバチャン」のマシンガントークがそのまま再現されているのがよかった。（立）

　◇キズナイーバー

　岡田麿里脚本、トリガー制作ということで放送前から期待しすぎてしまい、結果的に損をしたのかも……というのが率直な感想。肉体的、精神的な痛みが全員に伝わる設定はオリジナリティーがあって面白いのだが、何せ独創的なキャラばかり登場する上に、背景を理解するのも一苦労で、視聴者にもパワーを要求してくる。もちろん話数を重ねていくと、謎が明らかにされていく快感はあるが、評価が真っ二つに分かれるはず。もちろん、こういうチャレンジがないと新機軸作品は生まれないから、制作陣にエールを送りたい。個人的には、勝平と法子、千鳥のベタベタな三角関係はゾクゾク。なおエンディング曲「はじまりの速度」は、今クールで最もお気に入りのアニソンです。（成）

　◇Re：ゼロから始める異世界生活

　異世界をテーマとした“なろう系”がちょっとしたブームだが、“なろう系”といっても、いろいろなタイプの作品があり、カテゴライズするのが難しい。冬アニメの「この素晴らしい世界に祝福を！」はギャグが秀逸だったし、最近は“異世界グルメ”などもあったり……。「リゼロ」は、異世界で死んでしまうと、時間が巻き戻されるタイムリープもの。主人公は、自分や仲間の死の原因を探り、、最適と思われる選択をやり直していくことになる。ミステリー色が強く、“引き”の作り方が絶妙なので、ワクワクしながら見ている。女性キャラも魅力的で「エミリアたん、まじ可愛い！」などと思っていたら、翌週には「ツンデレなベアトリスちゃんもいいなあ……」などと浮気してしまう。（鉄）