浜野謙太:「とと姉ちゃん」“直属の先輩”ピエール瀧に感謝 ダメ出しも「突き刺さる」 

テレビ
「とと姉ちゃん」に出演する浜野謙太さん

 NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で、ヒロイン常子らが暮らす深川の仕出し屋「森田屋」の板前・長谷川哲典を演じる浜野謙太さん。「在日ファンク」のボーカルで“ハマケン”としても人気だが、同じミュージシャンで俳優としても活躍している森田屋の主人・宗吉役のピエール瀧さんを「直属の先輩」といい、“ダメ出し”もされながら演技指導を受けていた浜野さんは「瀧さんの言葉は僕にとって強烈に突き刺さってくるし、とても鋭い」と明かす。俳優としての新境地を見せる浜野さんに初の朝ドラ出演について聞いた。

 「とと姉ちゃん」は、生活総合誌「暮しの手帖」創業者の大橋鎮子の軌跡をモチーフとしたドラマ。11歳で父を亡くしたことを境に家族の父代わりとなった常子(高畑充希さん)が浜松から上京し、女性向けの雑誌を創刊。高度経済成長期を生きる女性に支持されていく……というストーリー。森田屋は関東大震災のため深川に移転してきた老舗の仕出し屋で、浜野さん、瀧さん、大女将のまつ役で秋野暢子さん、宗吉の妻・照代役で平岩紙さん、娘の富江役で川栄李奈さんが出演している。

 ◇役作りで卵焼きの特訓 放送されず落胆

 浜野さん演じる長谷川はノリの軽いお調子者。腕はいいが、怒りっぽくて江戸っ子気質である宗吉(瀧さん)の格好のいじられ相手でもある。「大将(宗吉)にへつらっていて、自分の話しかしなくて、空気を読めなくて、女好きっていうのは、僕そのままなんで」と浜野さんは笑う。

 一方で、板前という役どころに「家ではめちゃくちゃ料理を作っていましたね」という。2児の父でもある浜野さんは、ドラマ同様、昔ながらの銅製の卵焼き機で「森田屋伝統の卵焼き」を作って、子供たちの朝ごはんのおかずとしてふるまっていたといい、「意外だったのはだしと塩、砂糖、みりんのほかに、しょうゆを入れるのを知らなくて、結構しょっぱくするんだなって。子供たちは2歳と3歳なので味はまだ分からないと思うんですけど、食べていましたよ。卵焼きにほうれん草を潜ませたり、そんなこともやっていました」と振り返る。

 だが、実際の放送では1回も卵を焼くシーンがなく、「全部瀧さん(に持っていかれた)。“パン、パン、パン”って卵を片手で割るところもピシっと決まったんですけど、これも何の話題にもならなかった」と落胆の表情で、「料理指導の先生の店で魚をさばく練習をしたのに、本番では手元は撮ってなかった。そういうの多かったんですよね」と語る。「長谷川は『いいキャラだ』ってみんな言ってくれてますけれど、俺の顔もあまり撮ってなくて、(カメラの)寄りもなくて……。朝にはきついのかな」と“愚痴”をこぼしていた。

 ◇ピエール瀧は「本当に大将」

 浜野さんは2000年、同じ高校出身の星野源さんが結成したインストルメンタルバンド「SAKEROCK」(2015年に解散)に参加、07年に自身でファンクバンド「在日ファンク」を結成し、ボーカル兼リーダーとして活躍、ファンからは“ハマケン”の愛称で親しまれてきた。06年公開の映画「ハチミツとクローバー」で俳優デビューし、ドラマや映画、バラエティー番組にも引っ張りだこだが、初の朝ドラ出演とあって、現場では同じミュージシャンの瀧さんの存在が心強かったという。瀧さんは「おひさま」(11年)、「あまちゃん」(13年)に続く3度目の朝ドラ出演で、大河ドラマ「龍馬伝」(10年)や「軍師官兵衛」(14年)でも重要な役どころを務め、昨年は土曜ドラマ「64(ロクヨン)」に主演。今や“NHK御用達”の名優だ。

 浜野さんは「超有名な役者の方々と絡んで、つないでくれたのが瀧さん。音楽の現場以外で『ハマケン』って呼ばれることって少ないんですが、否応なしに『ハマケン』で通すことができたのは瀧さんのお陰。本当に大将で、自分は“虎の威を借りるなんとやら”でしたね」といい、「『僕は瀧さんみたいにミュージシャンとしてブレークしたことが1回もありません』って言ったら、瀧さんめちゃくちゃ喜んじゃって。そのフレーズが気に入ったみたいで『ハマケン、お前ブレークしてないからなあ、ミュージシャンとしても頑張れよ』って言われて、頭は下がりっぱなしでしたね」と苦笑していた。

 さらに「瀧さんは演技もバラエティーもやっていて、さらにミュージシャンで、“直属の先輩”なんです。ドラマの現場ではそんな“直属の先輩”には会ったことがないので、瀧さんの言葉は僕にとって強烈に突き刺さってくるし、とても鋭い」と語り、「昔、自分が(テレビに)出始めた時にやっていたバラエティー番組について、『あれは本当にダメだったぞ、うちのカミサン的にも評価低かったぞ、ハマケン』と言ってくれた。見ていてくれたことがうれしくて、すごく身にしみました。そんなことを言ってくれるのは瀧さんだけで、あの時のオレはダメだったんだって反省できた」と感謝していた。

 ◇森田屋「家族のような感じ、笑顔が忘れられない」

 物語は戦争が深刻化し、森田屋も大きな時代の波に飲まれていく。自身の出演場面の撮影を終えた浜野さんは「最後のシーンを撮影したのが夜中だったんですけど、寂しくしょうがなかった。『そんな夜中までやるならさ、次の日にしようよ、終わって昼から飲もうよ』って思ったりしたんですが、いろいろなスケジュールの都合もあったみたいで……」と残念そう。それでも「長谷川は特に“にぎやかし”なので、楽しくて、楽しくて。でも最後、戦争に入っていくのに覚悟っぽいことを長谷川なりに言うみたいな。そういう明るい人たちが、戦争によって苦しい思いをするから、何かが伝わるっていうのはあるのかなって思いながらやりました」としみじみと語る。

 「とと姉ちゃん」の撮影では、「思う存分、調子に乗らせてもらいましたね。調子に乗らせてもらえる現場の雰囲気があって、ひたすら楽しかった」と語り、「瀧さんとかと飲みにもいったし、(主演の)充希ちゃんに比べたらスケジュールは楽勝だったし、森田屋は唯一のコント部分、にぎわせられる部分だから、とにかく調子に乗ろうっていうのはあった。瀧さんも秋野さんも距離を縮めるのが上手で、とにかく温かった。最初から本当に家族と一緒にいるような感じだった。みんなの笑顔も忘れられない」と充実した表情を見せる。

 「とと姉ちゃん」での瀧さんとの共演で、収穫を明かしてくれた浜野さん。“先輩”の瀧さんも「ハマケンにはハマケンというキャラクターがある。ちょっと可愛らしいおっさんというか。コロボックルみたいな感じというか。あの感じに、役をはめていく感じですよね。化けるというか、ハマケンが持っているキャラクターでないとできないのはすごいと思う」と評価する。浜野さんは7月スタートの月9ドラマ「好きな人がいること」(フジテレビ系)への出演も決まっており、俳優としての活躍もまますます広がりを見せていきそうだ。

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