タレントのイモトアヤコさんが、9月に放送されるNHK-FMの「FMシアター『ほかの誰でもないアヤコ』」でラジオドラマ初主演を務めることが3日、明らかになった。自身をイメージして書き下ろされた、負け組で人に都合よく使われる30歳の花島アヤコを演じるイモトさんは、ラジオドラマ自体も初挑戦で、「声だけで表現するのも初めて。普段、顔で勝負していて、(顔に)頼っている部分があるので、顔が映らないというのが結構怖くて、大丈夫かなと思いました」と本音を見せた。
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このほど行われた収録の合間に、取材に応じたイモトさんは、そんな不安の一方で、「初めてのラジオドラマなので、自分でも仕上がりが楽しみ。頭の中で映像が流れるようなお話にしたいなと思っています」と意欲十分。「(せりふの掛け合いを)上手にやるんじゃなくて、(相手の言葉を)聞いてから、そのとき思った気持ちを大事にしてみようと思います」と語った。
また、脚本がイモトさんをイメージした「アテ書き」であることから、役柄との共通点を聞かれると「めちゃくちゃありますね。流されやすいところとか、断れないところとか。行動が似ていて、共感できる部分がすごくあるので、感情移入しやすいです」とコメント。「自己主張がないってよく言われる。飛行機に乗って(食事の時に)ビーフかチキンか魚かみたいなときに、ビーフが少なそうだからビーフをやめようと思って、本当にほしいものが言えないときがあります」と明かした。
イモトさんの出演は、番組の演出を担当する、同局の笠浦友愛エグゼクティブ・ディレクターの熱望で決まったという。笠浦ディレクターは、2013年にイモトさんが出演したNHKの土曜ドラマ「ご縁ハンター」を手がけた際に、イモトさんの芝居に感心し、今回のオファーに至った。イモトさんは「今回、声をかけてもらってすごくうれしかったです。2回目ってすごくうれしいし、大事にしたい」と自ら気合を入れるように語った。
ドラマは、岸田國士戯曲賞などを受賞した劇作家の鈴江俊郎さんが手がけるコメディータッチのファンタジー作。イモトさん演じるアヤコが、自分の人生を振り返りながら、人生の意味を見つけていく。物語は、死にかけたアヤコの元に「死に神の使い」と名乗る男が現れ、自分の人生をアピールできなければ「あの世に連れて行く」と言うが、振り返るとアヤコの人生はさんざんなもので、アヤコは生き返ることを諦めてしまう……と展開する。NHK-FMで9月17日午後10時から。